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March 15, 2018

第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール記者発表

第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール記者発表
●13日午前、トッパンホールでの第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール記者発表に足を運んだ。な、なんと、ピリオド楽器を対象としたショパン・コンクールが今年の9月に開かれるんである。開催するのはもちろん、本家本元のショパン・コンクールと同じくポーランドの国立ショパン研究所。開催地もワルシャワだ。参加者は1次予選と2次予選でソロを弾いて、ファイナルでは18世紀オーケストラと協奏曲を共演する。今回が第1回で、今後5年ごとに開催される予定だという。現在DVDによる書類審査受付中。参加資格は18歳以上、35歳まで。ここでいうピリオド楽器とは「1860年より前にエラールまたはプレイエルの工房で制作されたピアノ、またはショパンの生存期間(1810-1849)のウイーン式ピアノまたはそのコピー」(コンクール規定からコピペ)。写真は左からポーランド音楽出版社のディレクター&編集長のダニエル・チヒ、国立ショパン研究所副所長マチェイ・ヤニツキ、国立ショパン研究所のふたつのコンクールのチーフ・プロデューサーのヨアンナ・ボクシチャニン、ダン・タイ・ソンの各氏。
●記者発表中にダン・タイ・ソンによるピリオド楽器とモダン楽器を比較する簡潔なデモンストレーションも行われた。また、午後に開かれたガイダンス(こちらはワタシは不参加)では小倉貴久子さんによる演奏アドバイスやコンクール参加希望者の相談受付もあったとか。
●記者発表ではマチェイ・ヤニツキ国立ショパン研究所副所長から今回のコンクールに向けての意欲が力強く述べられた。「わたしたちの研究所では活動の最初期から歴史的楽器の演奏を重視してきた。ピリオド楽器による演奏は私たちの知らなかった作品の姿を再発見させてくれる。ショパンの作品は当時の楽器と深く結びついており、彼の音楽と楽器は切り離すことのできない関係にある。わたしたちはピリオド楽器の魅力を伝えようとしているのではなく、ショパン本来の魅力を知らしめようとしている」。
●で、ピリオド楽器を使うのはいいとして、では審査員はだれが務めるのか。これはピリオド楽器を専門とする奏者と、ピリオド楽器も弾くモダン・ピアノ奏者の両方が担うそう。アンドレアス・シュタイアー、アレクセイ・リュビモフ、クレール・シュヴァリエ、ダン・タイ・ソン、ニコライ・デミジェンコ、ネルソン・ゲルナー他の名前が挙げられた。
●2次予選からはインターネットでも中継されるということなのだが、新たなスターが誕生することになるのだろうか。第1回ということで、なにがどうなるのか予想のつかないことだらけという気もするが、かなりエキサイティングなことになっている。