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May 31, 2018

新国「フィデリオ」(ネタバレなし)、ニッポンvsガーナ代表戦

●30日は、新国立劇場でカタリーナ・ワーグナー新演出によるベートーヴェン「フィデリオ」へ。事前の記者会見などで結末にひと工夫あることは承知していたわけだが、肝心の部分はネタバレしないように当日まで耐えた。ホントに耐えきった。だから、ほとんどなにも知らないままにこの新解釈を堪能することができた。で、あともう一公演、6月2日にあるんすよね。だからここではネタバレを控える。とにかく大胆なアイディアが披露されているということだけはいえる。詳しくは終わった後でまた書くつもりだけど、ひとことでいえば、めったに決まらない悪役レスラーの大技が飛び出たような感触かな(なんだそりゃ)。ブーイングが出なかったらおかしい演出だし、納得できない部分もあるのだが、自分はとても楽しめた。
●で、同じ日にワールドカップのメンバー決定直前の壮行試合として、ニッポンvsガーナ代表戦が行われた。最終選考の場にして西野朗ジャパンの初陣。トホホ。最大の変化は長谷部を3バックの真ん中にして新しいフォーメーションを試したこと。所属チームでは長谷部はずっとこのポジションでプレイしているので選択肢のひとつではあると思うが、その場合、サイドの守備をどうするのかが3バックの永遠の課題。西野監督はウィングバックに左に長友、右に原口を置いて、ずいぶん攻撃的な人選だと思った。
●個のメンバーを見れば、ニッポン代表はおおむねブンデスリーガ1部の下位くらいの水準のチーム。吉田のようにプレミアリーグでレギュラーの選手もいるが、一方でブンデスリーガで控えや2部だったり、フランスやメキシコやJリーグでプレイする選手もいる。一方、対戦相手にはプレミアリーグやスペインリーグの上位、ブンデスリーガのトップレベルの選手たちがたくさんいる。だからワールドカップでは、「アジアの戦い」と違って、ニッポンは「弱いチームが強いチームに勝つにはどうすればいいのか」が問われるわけだ。そのためのスペシャリストがハリルホジッチ前監督でもあり、また縦に速いサッカーが求められていたはず。西野ジャパンはポゼッション重視のサッカーをガーナ相手に仕掛けると、完敗するということを改めて確認した。0対2。たとえホームゲームで相手がW杯に出場しないという条件であっても、ガーナくらいが相手だとこうなる。ブーイングが盛大に出たが、こちらのブーイングは「フィデリオ」と違って、なんのワクワク感も残してくれない。