June 29, 2018

ヤクブ・フルシャ指揮バンベルク交響楽団、マイスター指揮読響

●26日はサントリーホールでヤクブ・フルシャ指揮バンベルク交響楽団。都響との演奏でおなじみのフルシャが、バンベルク交響楽団首席指揮者として帰ってきた。それにしてもバンベルク交響楽団の指揮者は日本の楽団と縁が深い人が多い。ホルスト・シュタイン、ジョナサン・ノット、ブロムシュテット、フルシャ。このオーケストラ、ルーツの一部をプラハ・ドイツ・フィルに持つということなので、チェコ生まれのフルシャはぴったりともいえる。プログラムもドイツ&ボヘミア・セットでブラームスのピアノ協奏曲第1番(ユリアンナ・アヴデーエワ)とドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。アヴデーエワは意外な選曲ではある。フルシャの音楽は、一言でいえば、土の香りがするんだけど手垢にまみれていない。オーケストラはよく鳴っていて、サウンドは豊麗。ソリストのアンコールはバッハのイギリス組曲第2番からブーレ、オーケストラはブラームスのハンガリー舞曲第17番、同第21番。「新世界より」を新鮮な気持ちで楽しめたのが吉。やっぱりこの名曲、よくできている。
●28日はサントリーホールでコルネリウス・マイスター指揮読響。読響首席客演指揮者という同じタイトルを山田和樹とともに持つマイスターが、マーラーの交響曲第2番「復活」一曲のみのプログラムを披露。前半は前へ前へとさっそうと進む「復活」。第1楽章、低弦の切れ込みの鋭さが印象的。ソプラノにニコール・カベル、メゾ・ソプラノにアン・ハレンベリ、合唱は新国立劇場合唱団。後半は大きなドラマを作り出すパワフルなマーラーに。全体に響きの精緻さよりも熱量が強調されたマーラーで、最後は大迫力のクライマックスが築かれたのだが……。なぜか曲が終わるやいなや客席から大絶叫が聞こえて、あまりの驚きにいったん始まった拍手が止んでしまい、それから拍手を再開する珍しい事態に。なにがあったのかは知らないけど驚いた。

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