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September 18, 2018

マリノスvs浦和、降格ライン上の綱渡りが続く

キケン 近づくな●ま、また負けたよっ! 分がいい浦和相手に、ホームで1対2で敗戦。ほかの下位陣が奮闘した結果、ますます降格圏が団子状態になっている。最下位の長崎が24、そのひとつ上のガンバ大阪が27、そしてその上にマリノス、鳥栖、柏の3チームが勝点29で並んでいる。どこが落ちても、どこが残ってもおかしくない熾烈さ。
●マリノスは右サイドバックにイッペイ・シノズカ(ロシア国籍)を起用した。どうもポステコグルー監督は従来からこのポジションに不満を感じているようで、本来攻撃の選手であるシノズカをコンバートした模様。ディフェンスラインは左から山中、チアゴ・マルチンス、ドゥシャン、イッペイ・シノズカ。日本人がひとりしかいないディフェンスラインはJリーグではかなり珍しい。ちなみに中澤はもはやベンチにも入っていない。さらば、レジェンド。中盤の底に扇原、その前に天野と大津、左サイドに遠藤、右サイドに仲川、トップに伊藤。キーパーはおなじみ飯倉(もう走ってない)。ポステコグルー監督の基本プラン通り、圧倒的に高いボール支配率で、相手を上回るチャンスを築き、勝負に負けた。なんども書いているように、ポステコグルー監督の戦術が機能すると試合は負ける。ポステコグルー=グル・ポステコ=尊師ポステコ。尊師は負けるための戦術を極めつつあり、最終解脱は近い。
●ところが、試合終了後のインタビューで、尊師はおかしなことを言っている。選手たちに勝ちたい気持ちが足りないのではないかという精神論を述べた後、「このサッカーはただワクワクするとか、アタッキング・フットボールをやりたいとかではなくて、これが勝つために一番近い方法だからやっている」と、耳を疑うようなコメントを残しているのだ。えっ、それ、逆じゃないの? 「ただワクワクする、アタッキング・フットボールをやりたい」ためだけにこのサッカーをやっているのだと信じていたのだが。
●どんなにやられても「このサッカーは正しい」と断言していた頃のポステコグルーのすわった目が懐かしい。J2に落ちるなら狂信的なフットボールを貫徹してくれないとファンは納得できない。勝つためのサッカーで負けてどうする。一刻も早くゴールキーパーが7キロ走る伝説の戦術に回帰してほしい。