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October 25, 2018

大野和士指揮東京都交響楽団のシュレーカー&ツェムリンスキー

●24日は東京文化会館で大野和士指揮東京都交響楽団。シュレーカーの室内交響曲とツェムリンスキーの「抒情交響曲」というプログラム。シュレーカーは1916年、抒情交響曲は1922~23年の作曲。後期ロマン派の断末魔みたいなダブル交響曲。濃密な官能性や豊麗な色彩感など共通項は多いが、はっきりとしたコントラストを描くのは編成。シュレーカーは室内交響曲というだけあって、室内楽の延長にあるような小さな一管編成で、小さな音像から大きな音楽を紡ぎ出す。一方、ツェムリンスキーは巨大編成からほとばしる分厚い響きにソプラノとバリトンの独唱者が対決する。ソプラノはアウシュリネ・ストゥンディーテ、バリトンはアルマス・スヴィルパで、ともに立派。
●「抒情交響曲」はもうひとつのマーラー「大地の歌」といった感。アジアの詩(こちらはタゴール)に曲を付け、ふたりの独唱者が交互に歌う。詩の意味合いは違うとはいえ、最後は告別で終わるのも一緒。なんでこんなパクリって言われそうな曲を書いたんでしょ、ツェムリンスキーは。
●なじみの薄い2曲をいっしょに聴けて満足。特にツェムリンスキーは(字幕はなかったが客席の照明はあまり暗くなかったので)歌詞対訳をチラ見しながら聴けて、格段に親しみが増した。思っていた以上に一貫した物語性のある詩で、オペラ的な趣きすら感じる。そもそも曲名からして「リリック」交響曲だし。ふたりの独唱者が同時に歌うことはないまま、男女の出会いとすれ違いが描かれる。というか、ずっとすれ違っているのか。