November 21, 2018

フランツ・ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィル&ラン・ラン

●20日はサントリーホールでフランツ・ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィル。プログラムはモーツァルトの「魔笛」序曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調(ラン・ラン)、ブラームスの交響曲第2番。皇太子殿下ご臨席。先日も書いたように、ラン・ランはこの協奏曲を携えてアジアでウィーン・フィルとベルリン・フィルを掛け持ちする人気ぶり。すっきり痩身になってスターのオーラ全開。細部まで入念に表情を付けたロマンティックなモーツァルトを披露。弱音の繊細な表現が印象的。アンコールにシューマンのダヴィッド同盟舞曲集から第14曲。非常にゆっくりとしたテンポで、美に耽溺するかのよう。
●後半のブラームスの交響曲第2番は、大らかな雰囲気で始まったが、進むにつれて白熱し、雄大な自然賛歌を描く。細部まで作り込んでおいた完成品を再現するというよりは、その場でみんなで作りあげた一期一会の音楽といった感。川崎公演でも感じたけど、ウィーン・フィルの弦楽器は明るくて華やか。終楽章の壮麗さは格別。アンコールはこの日もお家芸のワルツとポルカ。ヨハン・シュトラウス2世のワルツ「南国のばら」、E・シュトラウスのポルカ・シュネル「テープは切られた」。これは鉄道名曲で、ブラシで太鼓の表面を擦って蒸気機関を模したり、角笛みたいなので汽笛を表現したりと、かなり楽しい。
●シュトラウス・ファミリーの音楽がアンコールだと、いかにも「お開き」といった気分になるのだが、この日は拍手が続いて、ウェルザー=メストのソロ・カーテンコールあり。引き続いて皇太子殿下の退場でまた拍手。「殿下が選ぶ記憶に残るコンサート・ベストテン」みたいな記事があったらみんな読みたいと思うのだが、昔から皇室関連記事に強い「音楽の友」あたりでどうか。

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