December 12, 2018

アラン・ギルバート指揮東京都交響楽団の「春」プログラム

●10日はサントリーホールでアラン・ギルバート指揮の都響。メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、シューマンの交響曲第1番「春」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」というプログラム。シューマンとストラヴィンスキーで一足早い「春」つながり。「フィンガルの洞窟」は夏の風景だとは思うけど。少し前に、同じ場所でギルバート指揮NDRエルプフィルのブラームス他を聴いたばかりだが、最初のメンデルスゾーンからその続編を聴いているかのような錯覚に陥る。NDRエルプフィルで耳にした明瞭、明快なサウンドは都響でもほぼ同様。シューマンではいっそう明るさが前面に出て、輝かしい春の到来に。シューマンの交響曲らしからぬほどの清澄さ。この曲、「春」という名に反して、混濁した響きのなかで鬱々とした暗い情念が渦巻く曲だと思っていたのに、目から鱗。終楽章の風に舞うようなフルートのソロが爽快。後半の「春の祭典」もダイナミックで十分にすばらしかったんだけど、シューマンがもっとも印象に残るという予想外の一夜。
フィンガルの洞窟
●スコットランドのスタファ島にあるフィンガルの洞窟。中に入ると老人が住んでいて貴重な情報を教えてくれるか、ワープポイントとかありそうな雰囲気。

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