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December 25, 2018

成田達輝×阪田知樹 デュオコンサート Music Program TOKYO シャイニング・シリーズVol.4

●21日は東京文化会館小ホールで成田達輝(ヴァイオリン)と阪田知樹(ピアノ)のデュオ。プログラムがとても魅力的。前半にシュニトケ「きよしこの夜」、シマノフスキの「神話」、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタ ト長調、後半はそれぞれソロが一曲ずつあって、ラヴェルの「道化師の朝の歌」、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調、締めくくりにフランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調。攻めたプログラムだが客席はほぼ埋まっている。最初のシュニトケ「きよしこの夜」がクリスマス・シーズンらしい選曲ではあるわけだが、原曲から逸脱して調子っぱずれな音が鳴ると客席がどよめいて、笑いが起きる。率直な反応が出て、とてもいい雰囲気に。
●シマノフスキの「神話」はなかなか聴けない曲だけど、終曲がドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と共通する題材なのがおもしろい。ヴァイオリンのハーモニクスで牧神の笛を表現しているっぽい。弦楽器で笛を模すとは。第2曲「ナルシス」の自己陶酔ぶりも吉。フランクのヴァイオリン・ソナタでは白熱した演奏のおかげか、第2楽章の終わりで思わず拍手が客席から一瞬飛び出たが、それも納得。アンコールにパガニーニ(プシホダ編)のソナチネ op.3-6。驚異的な技巧の冴え、勢いのある表現、みずみずしくつややかなヴァイオリンの音色を全編にわたって堪能。成田さん、すごすぎ。
●今年はうまく日程が合わず久々に「第九」を一度も聴けないので、早々と年内の演奏会は聴き納め。夏はシーズンオフといいつつも音楽祭などが案外多いので、年末年始がいちばん演奏会が減る時期かも。
●サンタさん、そろそろ来るかなー。サーバーが軽い、クリスマスイブ。