January 9, 2019

山田和樹指揮読響のサン=サーンス、ラロ、レスピーギ

●年末年始は演奏会に出かけなかったので、8日にようやく聴き初め。サントリーホールで山田和樹指揮読響。サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」、ラロのチェロ協奏曲ニ短調(ニコラ・アルトシュテット)、レスピーギの交響詩「ローマの祭」という華やかで祝祭的なプログラム。読響首席客演指揮者に就任した山田和樹流ニューイヤーコンサートというべきか。
●サン=サーンスの交響曲第3番は「オルガン付き」であると同時に「ピアノ付き」でもあるんすよね。しかもピアニストがふたりも必要。なんだか鍵盤楽器奏者をぜいたくに使いすぎる曲だなーとかねてより思っていたのだが、なるほど!「ローマの祭」もオルガンとピアニストふたりを要する曲だった。この2曲を組み合わせるという効率的な妙手があろうとは。笑。もっとも「ローマの祭」はバンダのトランペットはいるわマンドリンはいるわで効率的にはほど遠い総天然色スペクタクル。やっぱりぜいたく。お正月のごちそう。
●ラロのチェロ協奏曲はなかなか聴くチャンスのない曲。ニコラ・アルトシュテットのソロは雄弁闊達。同じ作曲者のスペイン交響曲のチェロ・バージョンみたいな印象も。メランコリックな第2楽章が美しい。全体にサン=サーンス、シューマンも連想させるが、終楽章はなんだかベルリオーズ風。アンコールにサプライズがあって、コンサートマスター長原幸太が立ち上がって、チェロとヴァイオリンの二重奏によるシベリウスの「水滴」。初めて聴いたけど、ピツィカートで演奏するごくごく簡潔な曲で、初期作品のよう。
●ラロの後に聴くとレスピーギのおしゃれ感は際立つ。「ローマの祭」の洗練された乱痴気騒ぎを堪能。怒涛のクライマックスで大いに盛り上がった。全般に勢い重視の演奏ではあったんだけど、最後の最後にダメ押しをするように予想外のアンコール。2階席L側に居残ったバンダのファンファーレでロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲の「スイス軍の行進」が始まった。ここでバンダを活用できるとは。ムダがない。すっかり楽しい気分でお開き。

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