January 10, 2019

ニッポンvsトルクメニスタン@アジア・カップ2019UAE大会

●アジア・カップ2019UAE大会、グループFのニッポンは大会5日目にしてようやく初戦を迎えた。ワールドカップと同じで、どのグループにいようが勝ち進めば最後は決勝戦を同じ日に迎えるわけで、初戦が早いほうが試合間隔の点でお得。当然、開催国UAEが開幕戦を戦う。ニッポンのグループFは少し損だ。そしてUAEは暑そう。
トルクメニスタン●で、相手はトルクメニスタン。未知の国でFIFAランキングはずいぶん下のほうだが、このランキングは下位ほど当てにならない(試合数が少ないとランクが下がるので)。簡単に勝てそうかと思ったら、とんでもない。前半27分に相手の7番、アマノフが目の覚めるような長距離砲をニッポンのゴールに叩き込んだ。たしかにすごいシュートではあるが、距離が30メートルくらいあったので、キーパーの権田としては痛恨の一撃。ただし、その後で権田はスーパーセーブで追加点を防いでいる。アマノフは試合を通じてなんどもこちらの右サイドを脅かした。ニッポンは後方ではボールを持たせてもらえるが、前線にくさびのパスを入れようとすると、相手の激しいチェックでボールを奪われがち。攻撃の積極性が乏しく、中盤の展開力もまるで不足。なんと、前半を0対1でリードされて終えることに。
●おっと、ニッポンのメンバーを書いておかねば。先発はいくぶん意外な人選。GK:権田-DF:酒井宏樹、吉田、槙野、長友-MF:冨安健洋、柴崎-堂安、南野(→北川航也)、原口-FW:大迫。正GKは東口と予想していたのだが権田が先発。センターバックは吉田と槙野のベテラン・コンビになった。で、本来ならセンターバックの若手である冨安が中盤の底に入った。このポジションを本職とする選手たちがケガで離脱したり発熱してコンディション不良だったりということで窮余の策。柴崎はロシアW杯以後、どうも調子を崩しているように見えるのだが森保監督からの信頼は厚い。攻撃陣は「新3枚看板」から中島が離脱したため原口が戻った。トップはコンディション不良が伝えられていた大迫。森保体制で一気に若返った代表だったが、気づいてみれば経験を積んだ選手がずいぶん戻っている。
●後半11分、左サイドの原口がグランダーのクロスを送ると、中央で大迫が足元に収めて個人技で相手を交わしてシュート、これで同点。立て続けに後半15分、またも左サイドから原口、長友と渡りクロスを入れると、相手の緩慢プレーもあって、大迫が無人のゴールに流し込んで逆転。これでガクッとトルクメニスタンの足が止まった。後半26分、ゴール前で南野からのパスを堂安が巧みにターンして落ち着いて決めて3点目。これでもう試合は終わった……と思ったら、その後、トルクメニスタンのシンプルな攻撃に手を焼いて、権田のファウルでPKを献上して失点して3対2(これは権田のミスではなく、北川が不用意にボールを奪われて縦パス1本で決定機を作られた)。さらに吉田のヘディングのバックパスがあわやオウンゴールになりそうなところを権田がセーブしたりと、なにかと権田が目立った試合になってしまう。結局、そのまま3対2で勝てたのだが、終盤はすっかりドタバタに。一枚しか切らなかった交代カードが北川だったというのも、なんともベンチが機能していない感じだが、勝点3を取れたのは幸い。
●森保体制になって、堂安、南野、中島の新3枚看板が自律的に化学反応を起こして急速にチームができ上ったようにも見えていたが、初期の反応が落ち着いて定常状態になると(あるいは一人欠けると)ここまでクォリティが下がってしまう。ここからが監督の腕の見せどころか。好意的に見れば、アジア・カップにおけるニッポンはワールドカップにおける強豪国と同じ立場であって、コンディションのピークを大会終盤に設定しているので、最初はこんなものといったところか。一方、この調子の試合が続けば森保監督解任論が噴出してもおかしくない。

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