July 10, 2019

マルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢とクリストフ・コンツ

●9日は東京芸術劇場でマルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)。昨年よりOEKの芸術監督に就任したミンコフスキが待望の登場。曲はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とブラームスのセレナード第1番。OEKのメンバーを見ると管楽器を中心に若い奏者が目立って多くなっている。みんな、本当にうまいなあ……。プログラムを見て、だれが客演奏者でだれがそうでないのか、確かめてしまった。弦楽器は10型対向配置で、コントラバスが後方に横一列に並ぶ方式。
●で、前半のベートーヴェンは、ソリストがクリストフ・コンツ。ウィーン・フィルの第2ヴァイオリン首席奏者ということなんだけど、雄弁で、堂々たるソリストっぷり。楽器がよく鳴っていて、音色はつややか、息の長いフレージングで、のびやかでみずみずしい音楽を作り出す。歯切れのよいオーケストラとの組合せも吉。演奏中にひんぱんにミンコフスキとアイコンタクトをとっていたのが印象的だったが、なんと、この人、最近は指揮者としても活動していて、ミンコフスキ率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルの首席客演奏者に就任したのだとか。というか、もっと驚くのは、彼がかつて映画「レッド・ヴァイオリン」の神童ヴァイオリニスト役を務めていたこと! あの子、本当にヴァイオリニストになったんだ。しかもこんな立派な奏者に。そして、実際に演奏会で聴くことになるとは。思わずYouTubeで映画の該当場面を探し出して見てしまった。えっと……同一人物、なんすよね?
●後半はブラームスのセレナード第1番。半ばセレナーデ、半ば交響曲的な若き日の傑作。パッションにあふれているが、オーケストラの響きも美しく保たれている。各奏者のソロも聴きごたえあり。すばらしい高揚感。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「コパ・アメリカ2019ブラジル大会決勝、ブラジル対ペルー」です。

次の記事は「J1リーグ第18節 マリノスvs大分トリニータ~雪辱」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ