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August 21, 2019

ベルリン・フィルが4K映像によるライブ配信をスタート

●ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール(DCH)がIIJの技術支援により4K映像のライブ配信を始めると発表。従来、4K映像はオンデマンド配信のみでライブはHD(ハイビジョン)映像だったのが、8月23日のペトレンコ首席指揮者就任記念の「第九」から、4K映像でライブ配信されるようになる。
●現時点では大方の視聴者のPCは4Kに対応していないとは思うが、これには納得。従来、オーケストラの演奏を伝えるために、音質ならともかく、映像の質を最大限に追求するという考え方はなかったと思う。でも、DCHは「オーケストラが演奏している姿」がもっとも魅力的なコンテンツのひとつだということを先んじて伝えてくれている。
●精細な映像でストリーム配信されるパユとマイヤーのツーショットを眺めながら、ふと感じるのは、オーケストラそのものがスターなのだということ。コンサートにおける「スター」の役割は、かつて主にソリストが担っていた時代があり、やがてカラヤンやバーンスタインのような大指揮者の時代がやって来て、こんどは楽団員の時代が到来しつつあるのだな、と。演奏中のプレーヤー同士のアイコンタクトとか、「いまのところ、いいよね」みたいな表情とか、音楽に感動しながら演奏する神妙な顔つきとか、そういった瞬間瞬間に、高画質映像の価値が見出されている。
●カラヤンは帝王だったけど、今のベルリン・フィルが映し出すのは、どんな偉大な指揮者であろうと、彼らはオーケストラから雇われる側の存在だという事実。音楽監督はだんだん、サッカーの監督みたいな感じになってきているのかも。ビッグクラブが限られた有名監督を数年ごとにグローバルに交換し合っている感じとか、よく似ている。そのうち、成績不振(?)によりシーズン中に解任、なんてことがあったりして。
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●本日8月21日は当サイトの誕生日。このサイトは1995年にスタートしたので、開設24年を迎えたことになる。こんなささやかな個人サイトがGoogleやAmazonよりもずっと昔からあるのだと言っても、もはやだれも信じてくれない。

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