September 27, 2019

福間洸太朗 ピアノ・リサイタル ワルツとノクターンの調べ

黎明橋から
●26日は午前中から第一生命ホールへ。11時開演のマチネで「福間洸太朗 ピアノ・リサイタル ワルツとノクターンの調べ」。休憩なしの約60分のプログラム。客層はほぼ女性。開演前に公演企画に携わっている山野雄大さんの巧みなトークで解説あり。曲の合間には福間さんのトークも。ショパンのノクターン第20番嬰ハ短調とワルツ第14番ホ短調、スクリャービンの左手のためのノクターン変ニ長調とワルツ 変イ長調、チャイコフスキーのノクターン嬰ハ短調op19-4と「くるみ割り人形」より「花のワルツ」(タネーエフ編)、フォーレのノクターン第8番変ニ長調とヴァルス・カプリス第1番イ長調、サティ(福間洸太朗編)「ジュ・トゥ・ヴ」、ラヴェル(福間洸太朗編)「ラ・ヴァルス」。
●序盤はサロン的な軽めの曲が多かったが、進むにつれて白熱し、最後は自身の編曲による「ジュ・トゥ・ヴ」と「ラ・ヴァルス」で大爆発するといった趣向。「ジュ・トゥ・ヴ」は大幅にパワーアップされたヴィルトゥオジティ全開のマシマシ仕様。「ラ・ヴァルス」は、「2台ピアノ版で慣れていたので、ラヴェルのピアノ独奏版では音が足りないなと思って、自分で編曲して弾くことにした」とか。豪壮に鳴り響くウィンナワルツへのオマージュ。やはり小規模で親密な曲よりも、こういう熱血超絶技巧曲がよく似合う。管弦楽版にまったく引けを取らない、踊りへの偏執と狂熱、グロテスクさ。すばらしすぎる。フィニッシュの決めポーズがカッコいい。
●福間さんのトークによれば、この「ラ・ヴァルス」は最近ローザンヌで開催された非公開の公演で演奏したそうで、そのときにアイスショーでご縁のあったフィギュアスケーターのステファン・ランビエール、宇野昌磨選手らが聴きに来てくれたのだとか。彼らに「緊張するから最前列に座らないでね」って頼んだら、2列目のど真ん中に陣取っててやっぱり緊張した、といったお話。アンコールの前に映画「蜜蜂と遠雷」のインスパイア―ド・アルバム「蜜蜂と遠雷 ~ 福間洸太朗 plays 高島明石」の案内があって、ショパンのノクターン第13番ハ短調op48-1。
●映画「蜜蜂と遠雷」で福間洸太朗さんは高島明石役の演奏をしているというのだが、タイプ的にはどう見ても高島ではない。むしろマサルかと。

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