November 25, 2019

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とラン・ラン

●22日はミューザ川崎でパーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。プログラムは前半にワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(ラン・ラン)、後半にブラームスの交響曲第4番。ふだんN響で聴く機会の多いパーヴォだが、来日オーケストラで聴く機会も多いわけで、パリ管、ドイツ・カンマーフィル、シンシナティ等々あったと思うが、こんどはロイヤル・コンセルトヘボウ。そして、どのオーケストラを振っても、パーヴォはパーヴォの音楽を引き出すのだなと実感。輪郭のくっきりした引きしまったサウンドで、アスリート的な運動性が愉悦をもたらす。
●ラン・ランのスーパースターぶりを改めて実感。人気曲とはいえないベートーヴェンの第2番で客席に大喝采を呼び起こす。きわめてエモーショナルなベートーヴェンで、抒情的な部分はひたすら陶酔的で、活発な部分では天真爛漫にはしゃぐ。曲想を拡大鏡で強調してみせるかのようなエクステンディッド・ベートーヴェン。しばしばオーケストラに視線を投げかけ、パーヴォとオーケストラもこれにこたえてラン・ランのスタイルにぴたりと寄り添う。アンコールは「エリーゼのために」。これも恍惚としたスーパー・ロマンティックなベートーヴェン。
●ブラームスの交響曲第4番は推進力みなぎる快演。フルートをはじめ管楽器のソロが見事。第4番、寂寞とした曲想にひかれる曲だが、オーケストラ全体のサウンドはむしろ明るめで、壮麗。響きの美しさだけでもごちそう感あり。盛大な拍手とブラボーに続いて、アンコールとしてブラームスのハンガリー舞曲第3番。さらにもう一曲、ハンガリー舞曲第1番。切れ味鋭く、痛快。パーヴォとコンセルトヘボウの相性はよさそう。
●この日、まさに演奏会の直前にN響からプレスリリースが送られてきて、パーヴォ・ヤルヴィとのN響首席指揮者の契約が一年延長された(2022年8月まで)と発表された。

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