November 27, 2019

バッハ・コレギウム・ジャパンのブランデンブルク協奏曲

●24日は東京オペラシティでバッハ・コレギウム・ジャパン定期演奏会。鈴木優人指揮&チェンバロで、バッハのブランデンブルク協奏曲全曲。愉悦にあふれた全6曲。ひとつの演奏会で6曲をどう振り分けるのか、いろいろな考え方があると思うけど、前半に第1番ヘ長調、第6番変ロ長調、第2番ヘ長調、後半に第4番ト長調、第5番ニ長調、第3番ト長調と、調に着目して対称的に配置。前半がフラット系、後半がシャープ系。
●第1番の狩猟ホルン(コルノ・ダ・カッチャ)にN響の福川伸陽さん。出番は最初の1曲だけというぜいたく仕様。第2番のトランペットはギ・フェルベ。直管ではなくぐるぐる巻いた形の楽器なんだけど、なんて呼べばいいのか。高音域を自在に飛翔する。バッハの時代、このパートをどういう楽器でどの程度吹けていたんだろうか。第5番は鈴木優人さんのチェンバロ・ソロが圧巻。生気に富み、聴く人をぐいぐいと引き込む力がある。冒頭に続いて、最後の第3番の前にも優人さんがマイクを持って登場して、短いトーク。第3番の第2楽章にはふたつの和音だけが記されていて、奏者の即興演奏が前提となっていることを説明したうえで、本日はある主題を用いて演奏しますがそれはなんでしょう、と前フリ。で、第2楽章になって、「あ、第5番の第2楽章の主題が出てきたなあ」とかぬるく聴いていたら、ぜんぜんそんな生易しいものじゃなくて、正解は「他の5曲の第2楽章を2→5→1→6→4の順で引用しつつ、内声に昨日お誕生日だったコンサートマスターの高田あずみさんのためにハッピーバースデーを織り込んでおきました」(優人さんTwitter談)。ズテッ! 最後はスピード感あふれる終楽章で鮮やかな幕切れ。

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