December 24, 2019

シモーネ・ヤング指揮NHK交響楽団の「第九」


●23日はNHKホールでシモーネ・ヤング指揮N響のベートーヴェン「第九」。まだ年の瀬っていう気分でもなかったんだけど、はっと気がついたらもうこんな時期。毎年そうだけど、12月は年末進行だのなんだのであっぷあっぷともがいているうちに、あるとき急にパッと視界が開けて仕事納め(のようなもの)がやってくる。そのラストスパートの合図が「第九」なのかも。フロイデ!と鳴り渡る歓喜の号砲。
●今回のN響「第九」の指揮はシモーネ・ヤング。以前に聴いたときも好感触で、ドイツ音楽、特にロマン派のレパートリーが得意な印象だが、ベートーヴェンを聴くのは初めて。初日の21日にラジオで生中継された様子を途中まで聴いて、過度に重厚ではなく、歯切れよく弾むようなリズムが特徴的だなと感じていた。実演で聴くと意外と音量は抑制的で、巨大空間にディテールが埋もれた感もあるのだが、「第九」オートマティズムとの対決という点で聴きごたえあり。終楽章は語り口豊かで、途中からヒヤリとするほどスピードが上がりだして、猛烈な勢いで駆け抜けた。合唱の歌わせ方もところどころ独特で、全体としては表現のコントラストをはっきりつけたいということなのか。マリア・ベングトソン、清水華澄、ニコライ・シュコフ、ルカ・ピサローニの独唱陣と東京オペラシンガーズの合唱。合唱は見事。起伏に富み、雄弁。
●今年もNHKホールの前の代々木公園は「青の洞窟」で真っ青に輝いていた。ビバ、青色LED。鐘の前に行列ができていて、代わる代わるみんなでガランゴロン鳴らす。煩悩の数だけ鳴らすのであろうか。

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