May 25, 2020

東京でも緊急事態宣言の解除へ

●報道によれば今夜、東京でも緊急事態宣言が解除されるのだとか。解除された後、なにがいつできるのか(特に音楽界は)もうひとつイメージできていないのであるが、ひとまず現時点で新型コロナウィルスが各国でどれだけの猛威を振るったか、後日のためにメモしておこう。感染者数だと検査体制の違いなどが出るかもしれないから、同一人口あたりの死者数を記しておく。データおよびグラフの出典はourworldindata.org。画像だと細部がつぶれるのでリンク先参照推奨。
coronavirus-data-explorer20200525_1.jpg
●100万人あたりの死者数は、5月23日時点で、イタリア539名、イギリス536名、フランス433名、スウェーデン389名、アメリカ290名、カナダ166名、ドイツ98名、日本6.5名、韓国5.2名、ニュージーランド4.4名、オーストラリア4.0名、台湾0.3名。欧米とアジア・オセアニアでは、起きている事態がまったく異なる。地域間で極端に数字が違うので当欄ではよく対数グラフで比較していたが、上記グラフのようにリニアにプロットすると、アジア・オセアニアはほとんどゼロ近辺で固まってしまう。なぜ欧米とアジア・オセアニアでこんなにも状況が違うのかは脇に置いて(単なる憶測以上のものを知らない)、出口戦略は地域によってずいぶん異なってくるにちがいない。なお、スウェーデンは厳格なロックダウンをせずに集団免疫獲得を目指す異例の政策をとっている国なので挙げている。一見、高齢者と病人を見捨てるような乱暴な戦略に見えるが、実は英仏伊より死者数が少ない。というか、結果的にスウェーデンと欧州の他国は似たような道を進んでいるのかもしれない。

●で、現時点でどうなっているのか。多くの国で感染拡大はひとまず収まり、ロックダウンの解除に向けて一歩を踏み出している印象があるが、同じデータを用いて、直近の一日の死者数を一週間の移動平均で比べてみる(日々のばらつきを平滑化するために移動平均を見る)。上のグラフを見ると、どの国もピーク時よりもずっと収まっているのだが、現状の数字はやはりかなり幅がある。5月23日時点で、100万人あたりイギリスが5.0名、スウェーデンが4.0名、アメリカが3.8名。ドイツは0.6名で欧米のなかで見ると低い。一方、日本は0.09名、オーストラリアは0.02名、韓国は0.01名。つまり現時点であっても、欧米では日韓豪のピーク時よりもずっと多くの犠牲者が出ている。たとえドイツであってもそう。それでも彼らはロックダウンを緩和すると決め、ベルリン・フィルの演奏会やブンデスリーガの試合を無観客でものすごく対人距離を意識して開いたわけだ。だからアジア・オセアニアが、今からベルリン・フィルやブンデスリーガと同じことをする必要があるのかというと、それは少し違うんじゃないかという気はする。
●第1波はこうなったが、今後、第2波、第3波……と来たときにどうなるのかはわからない。たとえば、欧米では免疫を獲得する人が増えて感染が広がらず、逆にアジア・オセアニアでは感染爆発が起きる可能性だってあるかもしれない。現状では不明なことが多すぎて、楽観する気にも悲観する気にもなれない。

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