June 26, 2020

ジョナサン・ノットのリモートワーク

●ジョナサン・ノットの指揮が予定されていた東京交響楽団の7月28日・東京オペラシティシリーズと7月25日定期演奏会だが、かつてない形で公演が開かれることになった。ノットは来日中止。しかし、映像で出演するという。ま、まさかリモートでオーケストラを指揮するのか!?と一瞬期待するが、音声と映像の時差の問題もあってライブ映像による指揮はさすがにできないそう。ノットの映像は事前に収録されたものを使い、リハーサルで「弓使いや演奏上の注意を細かく書かれた楽譜やメモ、あるいはノット氏が過去に演奏した音源などを事前に吟味」する。リハーサルの状況はすべてノットがチェックしたうえでオーケストラにフィードバックするのだとか。ということは、これは指揮なのか、指揮ではないのか。すでに数多くの共演を重ねてきたコンビだけに、リハーサルで十分にコミュニケーションが取れるのなら、ノットの音楽を作れるのかもしれない。(たぶん)かつてないリモートワーク・コンダクターの誕生だ。
●で、プログラムは変更される。7月18日・東京オペラシティシリーズは、ブリテンのフランク・ブリッジの主題による変奏曲 (指揮なし)とドヴォルザークの交響曲第8番。7月25日定期演奏会は14時と19時の一日2公演で、ストラヴィンスキーのハ調の交響曲(指揮なし)とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」。客席は左右一席ずつ空けた座席配置。
●また、7月23日のフェスタサマーミューザKAWASAKIの東京交響楽団オープニングコンサートでも、同様にジョナサン・ノットがベートーヴェンの「英雄」のみで映像出演する。映像出演というものが実際にどんな形になるのか、イメージがわかないのだが、型破りな挑戦が成功を収めてくれることを願う。

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