July 16, 2020

サントリーホールで佐渡裕指揮東京フィル

サントリーホール前のオブジェ
●15日はサントリーホールで東京フィルの7月定期演奏会。指揮は佐渡裕。再開後にサントリーホールにやってくるのは初めて。かつてあんなに頻繁に足を運んでいた場所だというのに、ここに来るのは5か月ぶり。六本木一丁目の駅からして懐かしすぎる。
●定期演奏会ではあるがプログラムは変更されて、ベートーヴェンの序曲「コリオラン」と交響曲第7番のみ。今回もまた休憩なしの1時間プログラム。客席は一席ずつ空けて半分のみ使用。入り口でサーモグラフィで体温チェック、入場券は見せるだけ、名前と連絡先をあらかじめ書いておいて帰りに箱に入れる方式。密を避けるために分散しての入退場。客席はマスク着用。楽章間入場可、退場はいつでも可。プログラムノートは自分で取る。チラシ配布もなし、当然サイン会もなし。ホールの中よりも、そこに来るまでの電車のほうがはるかに密で、比較にならないほど無防備だ。
●今年は生誕250年のベートーヴェン・イヤーであるが、そうでなくとも音楽界の再開にあたって、ポジティブで力強いベートーヴェンの音楽はふさわしい。一時期は作品が消耗するかと思われるほど頻繁に演奏された交響曲第7番も、今なら新鮮な気持ちで聴くことができる。実際、オーケストラからはフレッシュで覇気にあふれたサウンドが鳴り響く。造形は重厚で伝統的。いくぶん前のめり気味の推進力。再開後の公演では毎度毎度だが、サントリーホールでもやはり残響が普段以上に豊かに聞こえる。客席が半分以下しか使われていないからなのか。最初にオーケストラのメンバーが入場したときから拍手がわき、最後に全員が退場するまで拍手が続く。自分が足を運んだ再開後の公演ではいつもそう。ブラボーの発声に代わる賛辞の新様式なのか。
●予定通りに終演し、20時頃にホールを出たと思うが、昨今の状況ではそれでもずいぶん夜が遅くなったように感じてしまう。今後、感染状況が落ち着いて、従来通りの公演が開けるようになったとして、はたして21時終演のペースに戻れるのだろうか。帰路、盛り場的な場所を通り抜けた際、ガールズバーの前に若くてスリムなおねえさんたちが立っていた。厚底のサンダル、金色の髪、Tシャツとショートパンツで、だるそうにスマホをいじっている。従来通りの夜の光景。

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