August 5, 2020

ベガルタ仙台vsマリノス J1リーグ第8節


●週末のJリーグ、マリノス戦を軽く振り返っておきたい。せっかく勝ったんだし。昨季の覇者マリノスだが、先発メンバーを見ると主力がごっそり抜けていてまるで別のチームのよう。チアゴ・マルチンスも仲川もエリキもベンチにすらいない。遠藤はベルリンに旅立った(ウニオン・ベルリンへのローン移籍)。マルコス・ジュニオールはベンチ。なんだか毎試合メンバーが変わるが、いつになっても本来のAチームは姿を見せないみたいな状況になっている。
●ただし、キーパーに朴一圭(パク・イルギュ)が帰ってきた。目を疑うようなプレイを連発。ここまで梶川裕嗣が健闘していたので、自分のなかでは梶川を正キーパーにしていいんじゃないかとすら思っていたのだが、久しぶりに見た朴はぶっ飛んでいた。もうクレイジーなくらいに前にポジションをとる。ことごとく足でボールを処理する。一度など、高くあがったボールに対して足でトラップしたところ、これが後方に流れてあわやゴールに入るかという危険な場面があった。手を使えばなんでもないボールなのに! かと思えば、手によるナイスセーブも披露する。なんという異能の人なのか。昨季は途中まで飯倉(現在は神戸に移籍)が「走るゴールキーパー」という超先鋭的なプレイスタイルを見せていたので、朴のプレイが異常には見えなかったが、今季、梶川というより常識的なゴールキーパーを見た後で朴を見ると、完全にどうかしている。こんな激辛カレーみたいなプレイスタイルを求めるんだったら、たしかにポステコグルー監督は梶川では満足できないだろう。ちなみにこの日の朴の走行距離は7.3km。仙台のキーパー、ヤクブ・スウォビィクは4.8kmだ。ウチのキーパーはメッシ並みに走ってるぜ!
●さて、マリノスはほとんどの時間帯でボールを支配し、チャンスの山を築いていたが、ゴールが遠いという何度も目にした展開。逆に終盤には仙台にいくつも好機があった。一度は扇原のハンドでPKかと思うような場面もあったが、主審はファイルを取らず。これはフットボールの健全さという点では正しい判断だと思うのだが(避けがたいスピードで腕に当たった)、VARを導入していたら主審はPKをとっていたんじゃないだろうか。だって現に当たっているわけだし。ルールの解釈では、現象と文脈のどちらを優先するのかという問題が常にある。もう試合終了と思われた94分、途中出場のマルコス・ジュニオールがタナボタでゴールを決めて、劇的な勝利。仙台 0-1 マリノス
●ポステコグルー監督は試合後のインタビューでも決して本音を見せない。ポーカーフェイスで淡々と原則論を語って、メディアに余計な情報を与えない。この人は遠からずJリーグからヨーロッパへとステップアップを果たすのだろうか。
●マリノスのメンバーのみ記しておこう。GK:朴一圭-DF:小池龍太、松原健、畠中槙之輔、ティーラトン-MF:扇原貴宏、喜田拓也(→伊藤槙人)、天野純-FW:水沼宏太(→渡辺皓太)、エジガル・ジュニオ(→オナイウ阿道)、仙頭啓矢(→大津祐樹)。本職サイドバックの松原がセンターバックで出場していた。なお、マリノスは松本山雅からポルトガルのマリティモにローン移籍していた前田大然を、やはりローンで獲得した。期待大。

このブログ記事について

ショップ