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January 25, 2021

沼尻竜典指揮N響、辻彩奈のラヴェル、ショーソン

池袋 西口公園
●22日は東京芸術劇場で沼尻竜典指揮NHK交響楽団。だんだん池袋でN響公演が開かれることになじんできた。前半はラヴェルの組曲「クープランの墓」、ショーソンの「詩曲」およびラヴェルの「ツィガーヌ」(辻彩奈)、後半はラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」とバレエ音楽「マ・メール・ロワ」。白眉はショーソン。辻彩奈のソロが問答無用のすばらしさ。芯のある強靭な美音をたっぷり響かせる。確かな技巧と濃密なロマン。こんなにスケールの大きな演奏を聴けるとは。「ツィガーヌ」も同様だが、作品に応じて一段奔放さが勝る。アンコールに権代敦彦作曲 Post Festum 第3曲。これも鮮やか。オーボエが協奏曲ばりの活躍を見せる「クープランの墓」、柔軟で精緻、いくぶん甘さ控えめの「マ・メール・ロワ」も堪能。時節柄、客席はかなり空いているわけだが、意外と雰囲気は悪くない。ぜひともこの公演を聴きたいという前のめり感あり、気のせいでなければ。
●写真は芸劇前から西口公園方向を眺めたところ。開演前の午後6時台はこんな感じで「池袋全開!」という賑々しさだが(スマホの夜景モードのせいもあるかも)、終演後ホールから出ると嘘のように街は暗くなっていた。