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April 5, 2021

マリノスvs湘南ベルマーレ J1リーグ第7節

●気のせいだろうか、今季のJリーグ、なんとなくシーズンオフの切れ目に実感がない。山もなく谷もなく、臨時営業中がずっと昨季から続いているような錯覚を覚えている。なぜなのか、いろいろ理由は思いつくが、いろんな制限があったり、昨季は降格がなかったりで、リーグ戦そのものが薄味になっているからなのかもしれない。あるいはこれはポステコグルー監督の美しい冒険はすでに幕を閉じたと感じるマリノス・ファンの思い違いなのか。
●で、第7節、マリノスはホームで湘南ベルマーレ戦。メンバーはどんどん変わってゆく。この日はマルコス・ジュニオール不在で、4トップのような布陣に。本来なら天野がトップ下に入ってもよさそうだが、そこにオナイウ阿道がいて、前線に前田大然、右に仲川、左にエウベルという4トップ。GK:高丘-DF:岩田智輝、チアゴ・マルチンス、畠中、小池-MF:扇原(→喜田)、渡辺皓太(→天野)-オナイウ(→和田拓也)-FW:仲川、前田大然、エウベル(→高野遼)。
●予想通り、マリノスはボール保持して主導権を握ったものの、決定機を欠く。湘南は3バックだが、守備時には5バックのブロックを敷き、たびたび鋭いカウンターを放つ。一方的に攻めている割には、試合の行方は五分五分かと思われたのがスコアレスの前半。後半20分、途中出場の天野の浮き球のパスを、走り込んだ前田がエウベルに落とし、これをエウベルが技巧的なボレーで蹴り込んで先制。勢いに乗って2点目、3点目と続くかと思いきや、後半30分、湘南は右サイドからクロスにフリーの山田が豪快に頭で合わせて同点ゴール。その後もマリノスは攻めてはいたのだが、堅い守りをこじ開けられず1対1のドロー。マリノスは勝点を落とした試合、湘南は勝点を拾った試合だと思う。
●マリノスはシュートがバーやポストを叩いた場面が少なくとも3回はあった。以前、加茂周元日本代表監督が「バーとポストをぜんぶ合わせればベニヤ板一枚くらいになるんだから、ボールが当たるのは当たり前」と言っていたのを思い出す。ポステコグルー監督の戦術は、本質的に個の突出した能力で問題を解決する「お金を溶かす戦術」だと思っているので(その分、見栄えがよくて、楽しくて、刺激的)、わずかにタレントを欠いた分が結果にあらわれたとも解せる。パス本数とスプリント回数はとても多かったが、ゴールを決めきれずに勝点を失う。これまでになんどもなんども目にしてきたパターンのリプレイのよう。