July 12, 2021

沖澤のどか指揮日本フィルのモーツァルト、ベルク、メンデルスゾーン

●9日はサントリーホールで沖澤のどか指揮日本フィル。沖澤のどかは来日を断念したアレクサンダー・リープライヒの代役で、日フィルとは今回が初共演。プログラムはモーツァルトの「魔笛」序曲、ベルクのヴァイオリン協奏曲(三浦文彰)、メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」。「魔笛」序曲は泰然とした序奏で始まって朗々と鳴り響く。三浦文彰のベルクは作品に垂れ込める濃密なロマン性を過度に強調せず、のびやかな美音ですっきりと端正に描いた自然体の音楽。白眉は推進力みなぎる後半の「スコットランド」。作品全体を貫く大きなドラマを表出する。モーツァルトでもそうだったがメンデルスゾーンでもトランペットとティンパニが強調され(といってもまったくHIPなスタイルではない)、「スコットランド」に抱いていた幻想的なイメージが覆され、荒涼とした大地が目に浮かぶよう。やや荒々しいが、耳を奪う。
●本日より、東京都に4回目の緊急事態宣言。東京の新規陽性者数はこんな感じで上昇中。前回、感染者が増え始めた段階で緊急事態宣言を解除してしまったのだから、すぐにまた出るのは当然とも思うが、なんども出たり取り下げたりしているうちに、すっかり「緊急事態の日常化」が起きている。ウイルスは変異により感染力を高めている一方、人間はどんどん慣れで鈍感になってゆく。周囲では1回目のワクチン接種を済ませた人が増えてきた。まだら模様の夏へ。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「疑惑のPK? EURO2020 準決勝 イングランド対デンマーク」です。

次の記事は「祝祭 EURO2020 決勝 イタリア対イングランド」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ