August 26, 2021

J1リーグ、連勝するマリノス、初黒星を喫した川崎、リッチすぎる神戸

●さて、このあたりでJリーグの現状を振り返っておこう。欧州中心のフットボールの世界でJリーグはローカル・リーグなのだと痛感させられるのがこの時期。欧州のシーズンオフに合わせて選手の移籍が活発になり、Jリーグはシーズン中にもかかわらず主力選手が入れ替わる。これも日本人選手が大勢欧州でプレイするようになったからで、進歩の証といえばそうなのだが、連続ドラマの中盤でいきなり主役級の役者が交代するみたいな落ち着かなさはある。
●ぶっちぎりの強さを誇り、今季は開幕から無敗だった川崎がついに福岡相手に黒星。昨季から続く無敗記録30がストップしたというのだが、30戦無敗は尋常じゃない。三笘薫(イングランドのブライトン→ベルギーのユニオンにローン)、田中碧(ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が抜けてチームの再構築が必要になったのかもしれないが、本来ウイルス禍がなければもっと前の段階で選手たちが入れ替わっていたはず。その意味ではここまで成熟したチームは今後なかなか出てこないのでは。……とか思ってたら、次節からまたずっと無敗が続くなんてこともサッカーではあり得るわけだが。
●で、マリノスだ。今、ウソのように強い。昨日は好調の鳥栖を相手にアウェイで4対0で完勝。その前の仙台戦は5対0、その前の大分戦は5対1。こんなに点が入るなんて。背中が見えないと思っていた首位川崎との勝点差はわずか1に。マリノスに関して言えば、もっともよかったことはポステコグルー監督がセルティックに去ったことだと思う。現在のマリノスの超攻撃サッカーはすべてこの人が作ったといってもいい恩人だが、優勝を果たした後はサイクルの終わりに入った印象がどうしても拭えず、新しいチャレンジが必要だと感じていた。後任監督はケヴィン・マスカット。同じオーストラリア人で、かつてのポステコグルーの右腕。チームはフレッシュさを取り戻した。ストライカーのオナイウがフランスに去った代わりに、なかなかチームにフィットしなかったレオセアラがやっと本領を発揮しているのが吉。
●神戸もチームがだいぶ変わった。古橋がポステコグルーに引っ張られてセルティックに移ったのは驚いたが、なんとヨーロッパから大迫勇也と武藤嘉紀を呼んできた。これにイニエスタや酒井高徳やセルジ・サンペールやフェルマーレンがいるわけで、すさまじい選手層(しかもボージャンが加わるのだとか)。大迫や武藤のケースはJリーグにとっての試金石かなと思っている。こういう欧州帰りの選手が個の能力でバリバリと活躍できてしまうようだとJのレベルはまだまだ。どうなんだろう。

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