September 3, 2021

ニッポンvsオマーン代表@ワールドカップ2022カタール大会 アジア最終予選

ニッポン!●一言でいえば、ニッポンは老いたライオンのような戦いぶりだった。W杯予選最終予選の初戦はホームでのオマーン戦。吹田に5000人の観客を入れての開催。オマーンはイバンコビッチ監督のもと、セルビアで一か月にもわたる事前合宿をして万全のコンディション。ニッポンは南野(リバプール)、冨安(アーセナルに移籍)を欠いた。雨でピッチコンディションは悪く、UAEの主審は信頼感に欠ける。だから、ある程度は苦戦を強いられるかと思っていたが、まさか負けるとは。引き分けではなく、負け。ニッポン 0-1 オマーン
●前半、オマーンは守備一辺倒かと思いきや、意外と出足が鋭く、予想以上にニッポンがボールを持てない。保持してもロストが多く、なにかピントが合わないまま試合が進む。膠着状態が続き、後半、長友がハンドでいったんはPKをとられるが、VARによってキャンセル。不可解なジャッジが続いていたので、PKは案の定……と思ったのだが、VARに救われた。これでぐっと雰囲気がよくなるかなと期待したのだが、途中交代の古橋、堂安、久保らも流れを変えられず、後半43分、左サイドをシンプルなワンツーで割られ、クロスに対して中央でマークを交わしたアルサビが足で合わせてオマーンのゴール。アディショナルタイムは5分あったが、残り時間もつないで崩すのかロングボールを入れるのかはっきりせず、消化不良のままタイムアップ。
●ニッポンの布陣は、GK:権田-DF:酒井、吉田、植田、長友-遠藤航、柴崎-伊東(→堂安)、鎌田(→久保)、原口(→古橋)-FW:大迫。主審の影響もあったとは思うが、全体にプレイ強度が不足しており淡白。縦に向かう意識が低く、その割に横パスをインターセプトされる場面が多かった。攻撃がきれいすぎて、相手に脅威を与えられていない。本当のチャンスといえるのは伊東のシュートの一回だけか。データを見てもボール支配率もパス成功率も相手を大きく上回っていたのだが、デュエルの勝率で劣っていた。守備の連係も不足しており不安定。一方、オマーンはミスが少なく、よく鍛えられていた。二次予選まではこちらが突破口を開けなくても、相手のミスからチャンスが転がり込んでくることも多々あったと思う。主導権を握るべき試合で、受けて立ってしまった。
●二次予選までは順風満帆だったが、最終予選でいきなりのピンチ。同組ではサウジアラビア、オーストラリア、中国を難敵と思っていただけに、ホームのオマーン戦で黒星はかなり厳しい。次の中国戦で勝てなければ森保監督解任論も出そう。森保監督は現場では信頼できるボスなのだとは思うが、調和を大切にするあまり、選手の序列が固定化し、控え選手さえも待っていればちゃんと出番が与えられるかのような安定した雰囲気がある。歴代の代表監督たちが時折引き起こしてきたカオスとは無縁。でも、今はカオスが必要かもしれない。成熟した選手が多すぎるのも気になる。酒井、長友、柴崎、原口、大迫といった功労者たちに頼らないチームを築くタイミングが来ているのでは。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「夏の終わり」です。

次の記事は「アーティゾン美術館 STEPS AHEAD展 新収蔵作品展示 その1」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ