February 7, 2022

下野竜也指揮NHK交響楽団と小林愛実のシューマン

シューマン●5日は東京芸術劇場で下野竜也指揮NHK交響楽団。オール・シューマン・プログラムで、前半に「序曲、スケルツォとフィナーレ」作品52より「序曲」、ピアノ協奏曲(小林愛実)、後半に交響曲第2番。序曲+協奏曲+交響曲という基本の3点セットでありながら、序曲が一ひねりしてある。この曲、「序曲、スケルツォとフィナーレ」として演奏すると3楽章の「隠れ交響曲」みたいな感じだが、序曲だけを抜き出して演奏すれば序曲として機能することを知る。
●当初の予定ではイゴール・レヴィットの独奏とパーヴォ・ヤルヴィ指揮でブラームスのピアノ協奏曲第2番が演奏されるはずだった。レヴィットが聴けないのは残念だが、代わりにショパン・コンクール以来初めて小林愛実を聴けるのはうれしい。繊細で流麗なシューマン。パワフルなタイプではないので、会場がNHKホールでなく芸劇だったのは幸い。ソリスト・アンコールはショパンのワルツ変イ長調作品42。ショパンとなれば水を得た魚で、磨きに磨きをかけたきらびやかさ。
●後半のシューマン第2番は快演。引きしまった響きによるキレのあるシューマン。もともと渋味のある色彩感を持つ曲だが、楽器間のバランスが良好で見通しがいい。第1楽章はリピートあり。第2楽章は白眉。終楽章は喜びの音楽でありつつ寂しさを感じさせるのがこの曲の魅力。神がかり的な傑作であることを改めて感じる。客席は盛況。
●今月の定期公演は本来ならパーヴォ・ヤルヴィの首席指揮者として最後の公演になるはずだった。一時は3つのプログラムのうち1つは予定通りの公演が可能かと思えたが、結局すべての公演で来日できず。来シーズンの予定を見るとパーヴォの登場は2023年4月。さすがにその頃にはウイルス禍も下火になっていると思いたい。

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