May 17, 2022

奇妙な試合、湘南ベルマーレvsマリノス J1リーグ第13節

●サッカーにはときどき内容と結果がちぐはぐな奇妙な試合があるが、週末のJ1、湘南ベルマーレvsマリノス戦がまさにそれだった。結果だけ見れば湘南 1対4 マリノス。ハイライト映像を見てもマリノスが快勝したとしか思えないが、中身はまるで逆。湘南の戦術がぴたりとはまって、開始早々から次々とチャンスの山を築き、シュートを打ちまくった。マリノスは防戦一方、キーパー高丘は大忙し。湘南は出足が鋭い。攻撃的なマリノスに対してラインを下げるのではなく、前線から精力的なプレスをかけ、ボールを奪うと効率的にシュートにつなげる。マリノスはポゼッションで上回っていたものの、消極的なパスが目立ち、思うようにビルドアップができない。これはポゼッション重視のチームが負ける典型的な展開で、前半だけでも10本以上シュートを打たれたと思う。
●にもかかわらず、マリノスは前半に水沼宏太と小池龍太のゴールで2点リード。さらに後半はアンデルソン・ロペスが3点目を奪い、アディショナルタイムにはレオ・セアラがゴール。やりたいサッカーをさせてもらえなかったのに、個の力で得点を積み重ねてしまった。湘南は質の高いチャンスをたくさん作っていたのに、シュートが決まらなかっただけ。湘南の山口智監督の戦術は完全に機能していたと思う。
●マリノスは中盤の藤田譲瑠チマが今まさにギュンギュンと成長中。シーズン前に扇原が神戸に移籍したのは痛かったが、ヴェルディ→徳島を経てやってきた藤田はその穴を埋める以上の活躍ぶり。まだ20歳とは思えない冷静さで、視野が広く、足元の精度も高い。遠からず代表に呼ばれるのでは。

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