January 20, 2023

山田和樹指揮読響の矢代秋雄&シュトラウス

●19日はサントリーホールで山田和樹指揮読響。プログラムは矢代秋雄の交響曲とリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」で重量級。今月の山田和樹&読響コンビは3プログラムあって、最初がポゴレリッチとのラフマニノフ+チャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」、次が黛敏郎「曼荼羅交響曲」+マーラー交響曲第6番「悲劇的」、そして掉尾を飾るのが今回の矢代秋雄の交響曲+シュトラウス「アルプス交響曲」。大作交響曲連峰の最後にアルプス挑戦みたいなタフな大縦走だったと思う。
●矢代秋雄の交響曲、生演奏で聴くのは初めてだが、思った以上に大編成の曲で、ピアノ、チェレスタ、ハープ2、多数の打楽器群を要する3管編成。第1楽章からストラヴィンスキー「春の祭典」の影響が色濃い。第3楽章はメシアン風。全般にストラヴィンスキー、メシアン、スクリャービン風か。作曲は1958年。お囃子風の第2楽章スケルツォが楽しい。演奏はきわめて充実。どちらかといえば前半に力点の置かれたプログラムだったと思う。後半の「アルプス交響曲」は超然とした大自然の威容よりも登山者の感情の起伏にフォーカスしたような演奏。遠くのガルミッシュ・パルテンキルヒェンよりも近くの高尾山トレッキング的な親しみを覚える。バンダが2階後方から聞こえてきたのはびっくり。終演後は拍手が止みそうで止まず、しばらく待った末に指揮者のソロ・カーテンコールに。
------------
●宣伝を。ONTOMOの連載「心の主役を探せ! オペラ・キャラ別共感度ランキング」第8回はモーツァルト「魔笛」。キャラ視点によるオペラガイド。打倒ザラストロ。