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March 23, 2023

広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢 第39回東京定期

●22日はサントリーホールで広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の東京定期へ。前半にシューベルトの交響曲第5番、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番(米元響子)、後半にベートーヴェンの交響曲第2番というクラシカルなウィーン音楽プロ。小気味よいアンサンブルはOEKの持ち味だが、加えてシューベルトからふっくらした響きが聞こえてくる。モーツァルトでは米元響子のソロが端正でのびやか。ソリスト・アンコールはパガニーニのカプリース第24番で、一転してスリリングな超絶技巧の世界へ。後半は正攻法によるダイナミズムあふれるベートーヴェン。弦楽器は8-6-4-4-3だったか。対向配置でコントラバスを右に置くいつものOEKスタイル。コンサートマスターはアビゲイル・ヤング。ベートーヴェンで肝となっていたティンパニは、客演奏者のマイケル・イスラエリエヴィチ。カーテンコールで一段と大きな拍手を受けていた。チェロの客演首席はマリウシュ・ヴィソツキ。マエストロの挨拶に続いて、アンコールにレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3集より「イタリアーナ」。しみじみとしたノスタルジーに浸る。
●この日、開演時間が18時30分だった。これは要注意だと思って、Googleカレンダーにも紙の手帳にもしっかりと「18時30分」と記入していたのに、いざその日になったらすっかり忘れて19時だと疑いもせずに出かけてしまった。それでも早めに着いたので、シューベルトの第2楽章からホール内に入れてもらえたのは救い。以前、自分は「嬉々として手帳様の奴隷になっている」と書いたが、実は奴隷どころかろくに手帳様を見ていないことが判明。これからは心を入れ替えて手帳様をしっかりと確認したい……。
●さて、OEKだが、17日に新シーズンラインナップ発表記者会見が開かれた。ZOOMによりリモート参加。2023/24シーズンの速報版が発表された。アーティスティック・リーダー広上淳一指揮の公演は、池辺晋一郎の交響曲第11番(東京オペラシティ文化財団との共同委嘱作品)他、葵トリオとのベートーヴェンの三重協奏曲他、久石譲作品とバリー・グレイの「サンダーバード」の組合せの3公演。他に川瀬賢太郎、マルク・ミンコフスキ、井上道義、ギュンター・ピヒラー、エンリコ・オノフリ、鈴⽊雅明、クリストフ・コンツらが指揮を務める。かなり豪華なラインナップ。