April 11, 2023

JFL第5節 東京武蔵野ユナイテッドFC対ヴィアティン三重

JFL 東京武蔵野ユナイテッドFC対ヴィアティン三重
●8日は武蔵野陸上競技場で、JFLの東京武蔵野ユナイテッドFC対ヴィアティン三重。JFLというのはサッカーのJ1、J2、J3の下にある4部リーグで……という説明はもういいか。こうして4部リーグで観客数わずか297人の試合でも、ちゃんと三重からサポーターがやってきて応援の声が聞こえるんすよ。これこそJリーグ発足時に夢見ていたフットボール文化そのものって気がする。試合開始前のアナウンスでアウェイのサポーターに歓迎のメッセージが述べられて、場内から拍手が沸き起こる。サッカー界には「アウェイツーリズム」がすっかり根付いている。三重サポの姿を見ていたら、自分もまた遠方のスタジアムに行きたくなってきた。
●先日の開幕戦でも思ったが、今の武蔵野はかつてと異なり、ボールをつなぐチームに変貌している。監督は石村俊浩。それが諸刃の剣で、足元のしっかりした選手もいればそういうタイプではない選手もいて、ミスからカウンターアタックをくらいやすい状況であることは否めない。はらはらする試合展開になったが、76分、後藤の縦パス一本から途中出場の小口が抜け出てシュートを決めて先制ゴール。その後、ピンチを迎えながらも一点を守り切って今季ホーム初勝利をゲット。小口はMIOびわこ滋賀から移籍してきた新戦力。武蔵野は10番のベテラン後藤京介が足元の技術の高い選手で、視野も広く、ボールがさばける。頼りになる。
●三重は個の能力ではむしろ武蔵野を上回っていた感もあったのだが、いくつもあったチャンスに決めきれなかったのが敗因だろう。ボールをある程度持たせてカウンターで仕留めるという狙いはほとんどはまっていたのでは。監督はだれかと思ったら、な、なんと、元マリノス監督の樋口靖洋。マリノス以外にも山形、大宮、甲府、Y.S.C.C.横浜、琉球を率いて、今は故郷の三重のチームに帰ってきた。このキャリアは立派。それにしても「ヴィアティン三重」、ウ濁ではじまる発音しづらい名称はクラヲタ心をくすぐる。「ヴィアティンとはオランダ語で『14』の意味」ということで、となればクライフの背番号なんだろう。チームカラーのオレンジもオランダ由来なのか。
●東京武蔵野はどんどん選手が入れ替わって、知らない選手だらけ。むしろコーチとかスタッフに知ってる元選手の名前がたくさんある。多くの選手は大学から直接このクラブに来た選手のようだが、JFL等の別のクラブから移籍してきた選手もいる。対戦相手の三重にも元武蔵野の選手が3人もいる。JFLは基本的にアマチュア契約だと思うので、よその土地のクラブに移籍するにしても生活のための仕事とセットで考えなければならないだろうから、なかなか大変だと思う。それでいて、プレイのレベルは案外高い。マリノスから鳥栖に移籍したゴールキーパー、朴一圭がJFLのレベルの高さについていけず挫折したという話は心に留めておきたい。