June 5, 2023

FC東京vsマリノス VARがあってもレッドカードは難問 J1リーグ第16節

●週末は線状降水帯が発生して、広範囲で大雨になった。東海道新幹線は運転を見合わせに。神戸vs川崎戦は選手の移動ができず、中止になった。首位の神戸の消化試合が一試合少なくなったので、そのつもりで順位表を見なければ(ACLで試合が少ない浦和も同様)。J2の藤枝vs栃木戦はキックオフ時刻が14時から17時に変更。遠征組は大変。
●で、DAZNでFC東京対マリノスを観戦。キックオフ直後にマリノスが先制し、前半の間で逆転され、後半にさらに再逆転して東京2-3マリノス。スリリングなシーソーゲーム。見ごたえのある一対一の攻防が多く、激しさと技術の高さを両立させた好ゲームだったのだが、後半24分に東京の松木玖生に出たレッドカードが勝敗を分けてしまった。マルコス・ジュニオールとの一体一の奪い合いで、松木の肘がマルコス・ジュニオールの顔にヒットした。
●この場面、リアルタイムではレッドカードに見えなかった。VAR(ビデオ判定)のある今日、マルコス・ジュニオールの過剰なアピールは時代遅れじゃないかと思ったほど。が、スロー再生で見ると、松木は肘を振っているし、肘が顔面をとらえている。そこだけ切り取ればレッドカードに見える、というか、これを見てレッドカードを出さなかったら厳しく糾弾されることは必至。でも、前後の流れも含めて見ると「お互いにバチバチにやりあった結果、肘が入ったけど、これぞフットボールの醍醐味」という場面でもあったのだ。人の目は文脈に左右されるので、VARがなければ多くの主審はレッドを出さないのでは? でもビデオを見てしまったら、出さずに済ませるのは難しい。で、レッドを出した主審は大ブーイングを浴びる。出しても非難されるし、出さなくても非難される。
●こういうとき、審判という仕事が十分に報われていないと感じる。VARが導入されても、やっぱり主審は守られていない。もう、だったら草サッカーみたいにセルフジャッジで試合をしたらどうか。そう思うこともある。主審は度重なる抗議に嫌気が差したら、ポケットからホワイトカードを出して掲げる。その時点で審判団は試合から離脱。そこから先はセルフジャッジだ。判定で揉めたら声の大きいほうが勝ち。
●というのは冗談だが、レッドカードとかハンドとか、人によって見方の分かれる場面は、今後はAIに判定させようっていう流れになるんじゃないだろうか。こういった経験知の世界は、はっきりいってAI向き。学習用に過去の映像データを大量に用意するのも容易。人間を介在させるから揉めるのであって、テクノロジーで解決したい。
●関係ないけど、ひとついい話だなと思ったこと。ベルギーのサークル・ブルージュで活躍する上田綺世が22ゴールを挙げて、得点ランキング2位でシーズンを終えた。あと少しで得点王。チームメイトからは「プレイステーション」と呼ばれてるのだとか。ゲームみたいに、打てば入るというニュアンスか。日本人にもそんな選手が出てきた。