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June 21, 2023

ニッポンvsペルー代表 キリンチャレンジカップ2023

ニッポン!●代表ウィークの第2戦は、パナソニック・スタジアムでニッポンvsペルー代表。先日のエルサルバドル戦は開始早々に相手に退場者が出て、テストにならなかったが、今回はとても強度の高い好ゲーム。相手のクォリティも大違い。ペルーはFIFAランキングも日本とほぼ同格で、鍛えられたチームという印象。にもかかわらず、ニッポンが4対1で大勝できてしまった。すべてがうまく回ったゲームで、特によかったのは守備。前線からの守備の連動性が高く、狙ったところでボールを狩って、そこからチャンスにつなげる形が頻出。相手も激しいのだが、ニッポンがそれを上回っていて、完全に欧州基準のチームになっている。時代は変わった。「Jリーグっぽいサッカー」(←堂安の表現)ではなく、ハイテンポ、ハイテンションでノンストップで戦う。試合を観て、ほとんどニッポンがゲームを支配していたような印象があったが、ボール支配率は41%しかなかった模様。後ろでパスを回してボールを持っている、みたいな時間がない。
●森保監督は前の試合と同様、4バックでアンカーを置く布陣を敷いた。大まかにいえば4-3-3、細かく言えば4-1-4-1の形。メンバーはがらりと変更。GKはポルトガルのポルティモネンセで守護神の座を勝ち取った中村航輔。ハイレベルな安定感あり。柏時代とはすっかり風貌が変わって、日本人に見えない。所属チームの試合映像をチラッと見たとき、中村航輔が出場しているはずなのに、どちらのチームのゴールキーパーも日本人に見えなくて「どういうこと?」と混乱したほど(今よりさらに髭がワイルドだった)。ディフェンスラインは菅原由勢(→相馬勇紀)、谷口、板倉、伊藤洋輝。アンカーに遠藤航(→瀬古歩夢)、その前に鎌田(→久保)と旗手(→守田)、右ウィングに伊東(→堂安)、左ウィングに三笘、トップに古橋(→前田)。
●やはりアンカーを置くと、その前に鎌田のような攻撃的な選手も置けるし、中盤の選手選択がフレキシブルになる。その代わり、トップ下というポジションがなくなる。今のメンバーだとそれでもあまり困らない。南野が君臨していた頃だと困ったかもしれないけど、彼はこのまま呼ばれなくなるのか、復活があるのか……。左右ウィングは選択肢が豊富だが、左の三笘、右の伊東が圧倒的に武器になっているので、久保や堂安は中央が基本か。古橋はパスの出し手と息が合わないとなかなか真価が発揮できない。伊東からのいいクロスがあったが、惜しくもゴールならず。得点は伊藤洋輝(強烈なミドル)、三笘、伊東、前田大然。
●驚きだったのは途中交代で相馬が右サイドバックに入ったこと。前の試合でも同じ展開があったが、あれは相手がひとり少なくなったから、守備を一枚減らすという意味だと思っていたら、この試合でも右サイドバックに入った。一瞬、伊藤洋輝をセンターバックにして3バックを敷くのかと思ったら、そうじゃなくて本当に4バックのひとり。これは新しいなー。どうなんでしょ。ラインに入って守るという面では慣れていない分、アキレス腱になりそうな気もするのだが、ビルドアップでは利点があるかもしれない。相手がボールを狩りに来るところで、相馬なら一枚剥がして有利な局面を作れる……といっても、ミスると即座に大ピンチだが。やるなら所属チームでしてほしいというのが正直なところ。