July 6, 2023

東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア展

東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア展 看板
●東京国立近代美術館の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」へ(~9/10)。建築家の展覧会ってなにをどうするのよ、と思いつつ行ってみると想像以上のボリューム感。そしてかなりの盛況(というか、解説が充実していて人の流れがなかなか進まない)。建築家である以上、本人の手による作品そのものはそんなにないわけで、多くは模型だったり複製だったり図面だったりするのだが、ガウディがどうやってサグラダ・ファミリアへと至ったかを知ることができるという点で大いにためになった(なにも知らなかったので)。
東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア展 模型
●ガウディの造形って有機的でなんだか生命体みたいだなと思うんだけど、発想の根底はかなり幾何学的なのだというのを実感。というか、自然の造形そのものがフラクタル構造に代表されるように幾何学模様をベースにしていると思うので、突きつめれば必然的にそうなるのかも。
東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア展 マルコの塔 模型
●あとガウディの柱の造形について「二重螺旋」で構成されているっていう説明がよく出てくるんだけど、二重螺旋って言われたらまずDNAの構造を思い浮かべるじゃないっすか。でも、あれと意味がぜんぜん違うんすよね。ガウディの二重螺旋とはどういうものなのか、わかりやすく説明されていてすっきり。そして柱一本作るのにもそこまでの意匠を盛り込むのだから、それは100年経ってもサグラダ・ファミリアは完成しないよな、と思った。
東京国立近代美術館 ガウディとサグラダ・ファミリア展 降誕の正面 歌う天使たち
●これはサグラダ・ファミリアの「降誕の正面」に1990~2000年まで設置されてあった外尾悦郎「歌う天使たち」。石像に置き換わるまで置かれていた石膏像。
●サグラダ・ファミリアって永遠に完成しないものかと思っていたら、そうじゃなくて、近年になって飛躍的に建設が進んで、もうすぐ完成するのだとか。年ごとのサグラダ・ファミリアが集めた建設資金がグラフになって展示されていたんだけど、ガウディの存命中はひたすら資金に苦労していたのに、ある時期から爆発的に資金が増えている。観光客の激増と入場料値上げが功を奏したみたいな説明があって、身も蓋もない感じがよかった。

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