July 7, 2023

トッパンホール ランチタイムコンサート 實川風

●6日はトッパンホールのランチタイムコンサートへ。12時15分開演、休憩なしの短いプログラム。ピアノの實川風が登場。曲はツェムリンスキーのデーメルの詩による幻想曲集より第1曲「夜の声」、マーラー(ジンガー編)の交響曲第5番より「アダージェット」、シェーンベルクの6つの小さなピアノ曲、バッハ(ペトリ編)「羊は安らかに草を食み」、同じくバッハのパルティータ第2番ハ短調。世紀末ウィーンとバッハを組合わせたプログラムで、一見、尖っているようでいて、どれも聴きやすい曲ばかりなので平日のランチタイムにぴったり。
●ツェムリンスキーの曲は初めて聴いた。続くマーラー「アダージェット」に近い濃密なロマンティシズムと官能性を湛える。マーラーでは豊かな音色表現を堪能。シェーンベルクはミニチュア作品の集合体だが、各曲の性格付けがはっきりしていて変化に富む。バッハのパルティータ第2番がこの日の主役で、スピード感のある幕切れの鮮やかさが印象的。アンコールには、ツェムリンスキーの「デーメルの詩による幻想曲集」から第3曲「愛」。この曲は軽くシューマン入ってる気がする。盛りだくさんでお腹いっぱい。ランチタイムに味わう本格派は最高にぜいたく。これが入場無料とは(要予約)。
筑土八幡神社
●この日、東京はぐんぐんと気温が上がって最高34度くらい。トッパンホールにはいつも神楽坂駅から歩くのだが、暑いのに遠回りを承知で知らない道を通ってみた。ひょいと路地を入ったところにずいぶん立派な神社を発見する。筑土八幡神社という名。