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October 23, 2023

高関健指揮NHK交響楽団のニールセン&シベリウス

高関健指揮NHK交響楽団
●20日はNHKホールで高関健指揮N響。本来はブロムシュテットが指揮する公演だったが、来日にドクターストップがかかったということで、代役に高関健。プログラムに変更はなく(よかった)、ニールセンのアラジン組曲から「祝祭行進曲」「ヒンドゥーの踊り」「イスファハンの市場」「黒人の踊り」、シベリウスの交響曲第2番。Cプロなので休憩はなし。19時30分開演だが、18時45分から楽員による「開演前の室内楽」(約15分)が開かれるので、これを聴こうと思ったら普段の公演と同じような時間に来場することになる。
●で、今回の「開演前の室内楽」は本編に合わせてニールセン。なんと、弦楽四重奏曲第4番より第1楽章。この曲、カール・ニールセン弦楽四重奏団のCDは持っていたが、生で聴くのは初めて。第1楽章だけでも貴重な機会でありがたい。青木調、俣野賢仁のヴァイオリン、坂口弦太郎のヴィオラ、山内俊輔のチェロ。演奏前に長めのトークが入って(4人全員が話す)演奏に入った。同じ作曲家の交響曲に近いテイスト。シリアスでモダン、ときどきエスニック。会場が大きいのでさすがに大方の客席からは音が遠かったとは思うが、聴きごたえのある演奏で、全曲聴きたくなる。
●本編のニールセン「アラジン組曲」もなかなか聴けない曲。交響曲におけるニールセンとはまた違ったノリの愉快な曲。空想的オリエンタル趣味というか。とくに「イスファハンの市場」がおもしろい。オーケストラが4つのグループに分けられ、それぞれが異なるテンポで動き、市場の賑わいと混沌を伝える。後半のシベリウスの交響曲第2番では、いつものN響に比べると管楽器強めのバランスで、とくに終楽章の金管は強烈。会場は大喝采。首席ホルンの女性はどなただったんでしょう……と書こうと思ったら、名フィル首席の安土真弓さんだとXで知る。