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February 14, 2024

山田和樹指揮読響のシュトラウス、ブルッフ、フランク

●13日はサントリーホールで山田和樹指揮読響へ。山田和樹は2018年から約6年にわたって読響首席客演指揮者を務めてきたが、この3月で退任。首席客演指揮者としての最後のプログラムは、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番(シモーネ・ラムスマ)、フランクの交響曲。チケットは完売。
●やや重めのプログラムだが、3曲ともいつにも増して完成度の高い演奏。「ドン・ファン」は颯爽として華麗だが、読響の重厚なサウンドが生かされていた。ブルッフはオランダのヴァイオリニスト、ラムスマのソロが雄弁、たっぷりと。オーケストラもしっかり鳴らして雄大。ソリスト・アンコールにイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より第4楽章。「怒りの日」が出てくる曲。これは見事。フランクの交響曲は濃密。この曲、かつてに比べると人気がなくなってきているように感じるんだけど、やはり真の傑作だと改めて実感。フランクって晩年に成功したことやオルガニストだったことや構築的な作風など、いろんな面で「フランスのブルックナー」だと思うんだけど、惜しむらくは交響曲を一曲しか書いていない。本当なら9曲書くべき人だったんじゃないかという気がしてならない。うつむき加減で粘着質なところが最高だと思うんだけど、最後にパッと弾けて躁状態になるのがおめでたい。でもおめでたいモードはわりとあっさりと終わる。そこにぐっと来る。
●先週、山田和樹が音楽監督を務めるモンテカルロ・フィルの来日公演記者会見があった。そこでの話がとても率直でおもしろかったのだが、また改めて。