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April 8, 2024

トッパンホール ランチタイムコンサート 北村陽(チェロ)

●5日はトッパンホールのランチタイムコンサートで北村陽のチェロ。少年期から注目を集めていたチェリストが、立派な若者に育ってトッパンホールの舞台に登場。プログラムはバッハの無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調よりサラバンド、リゲティの無伴奏チェロ・ソナタ、三善晃の「C6H」(1987)、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタ。とてもランチタイムコンサートとは思えないような歯ごたえのある本格派無伴奏プロ。休憩なしで1時間強だが、通常の夜の公演と変わらないくらいの内容の濃さがあった。鮮やかなテクニックに加えて、表現のスケールが大きく、燃焼度も高い。音色は深くつややか、パワーも十分。
●三善晃の「C6H」、変わったタイトルだけど、1986年に発見された星間分子に由来するのだとか。炭素原子6つと水素原子1つ。なぜこの曲名なのかはわからないが、宇宙空間とちがって重力も風も感じられるような曲想。連想するのは旅、かな。
●リゲティもすごかったが、圧巻はおしまいのコダーイ。冒頭からぐいぐいと攻めるチェロで、これほどの熱さを持った曲だったとは。強烈にして強靭で、作品世界の広大さを改めて知った思い。アンコールに「鳥の歌」。弾く前のあいさつで「来週20歳になる」と話していて、まだそんなに若いのかと驚愕。
●桜が咲いたが、曇天だともうひとつ桜を眺めようという気分にならない。「映えない」からかな。