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July 7, 2025

カリーナ・カネラキス指揮東京都交響楽団のマーラー「巨人」他

カリーナ・カネラキス 東京都交響楽団
●4日はサントリーホールでカリーナ・カネラキス指揮都響。ラヴェルのピアノ協奏曲(アリス=紗良・オット)、マーラーの交響曲第1番「巨人」というプログラム。チケットは完売。アメリカ出身のカネラキスはこれが日本デビュー。一曲目から協奏曲だったので、舞台袖からアリス=紗良・オットとカネラキスのふたりが颯爽と登場。ふたりともカッコいい。ぱっとステージが華やいだ雰囲気に。アリス=紗良・オットのラヴェルは以前にも聴いた記憶があるが、すっかり手の内に入った作品といった様子で、のびのびと爽快に。しっかりと日本語のスピーチを入れてから、アンコールにペルトの「アリーナのために」。チルい曲。袖に引っ込むときは裸足でスタスタと駆けていく。ふふ。
●後半はマーラー「巨人」は、つい先日もタルモ・ペルトコスキ指揮N響で聴いたばかり。ともに気鋭のデビューということもあり、どうしたって比較してしまう。ペルトコスキが野心的な解釈で奮闘していたのに比べれば、カネラキスはずっと穏当な解釈。ダイナミクスも上にも下にもいくぶん控えめで、流麗な横の流れが印象的。明瞭なサウンドで表からも裏からも光を当てたようなマーラーで、ほとんど快活といってもいいほど。おしまいはアッチェレランドとともに輝かしく。前半のラヴェルもそうだが、後半も好みの分かれるところかと思ったが、カーテンコールをくりかえした後、指揮者のソロカーテンコールまであった。意外な気もしたけど、青春の音楽と考えればこういうスタイルがふさわしいのか。
●第3楽章、コントラバスのソロが朗々として立派。この曲、よく童謡の「フレール・ジャック」と説明されるが、日本で親しまれているのは断然「グーチョキパーでなにつくろう」だろう。保育園、幼稚園の定番手遊び歌。グーチョキパーでなにを作るか。ワタシのお気に入りは、グーとパーでヘリコプターだ。グーとチョキでカタツムリもよい。