●15日はサントリーホールでシルヴァン・カンブルラン指揮読響。前半にバーンスタインの「キャンディード」序曲、ガーシュウィンのピアノ協奏曲(リーズ・ドゥ・ラ・サール)、後半にバルトークのルーマニア民俗舞曲(弦楽合奏版)、ムソルグスキー~ラヴェルの組曲「展覧会の絵」。久々に聴いたカンブルランと読響コンビ。期待通り、明瞭で華やか、そして俊敏。常任指揮者時代を懐かしむ。前半のバーンスタインとガーシュインにフランス音楽っぽさを感じる。「キャンディード」は爽快。ガーシュウィンのピアノ協奏曲でソロを弾いたリーズ・ドゥ・ラ・サール、たしかデビュー間もない頃にラ・フォル・ジュルネで知ったと思うが、その後、着実にキャリアを積み重ねて成熟したピアニストになった。強靭、硬質、真摯。めちゃくちゃカッコいい曲なので、第1楽章が華やかに終わったところで拍手が少し出た。わかる。フランスのピアニストとフランスの指揮者がこうしてピアノ協奏曲を演奏しているわけで、かつてラヴェルに弟子入りを志願したガーシュウィンも草葉の陰で喜んでいるはず。ソリストアンコールの前にメッセージを述べ、平和への祈りを込めてメシアンの「おお、聖なる饗宴よ」。
●後半、バルトークのルーマニア民俗舞曲は闊達。カンブルランなりの民謡調なのか。ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」は洗練され、すっきりさわやか。この曲、原曲の土臭さに対してラヴェルの編曲は華麗でスマートなんだけど、それゆえに原曲は古びないけど、ラヴェルの編曲はいずれ賞味期限切れになるんじゃないか、って感じることがある。ぜんぜんそうなってないけど。堪能。カーテンコールをくりかえした後、カンブルランのソロカーテンコールに。カンブルランはすごく楽しそう。
July 16, 2025