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October 17, 2025

チョン・ミョンフン指揮東京フィルのバーンスタイン、ガーシュウィン、プロコフィエフ

チョン・ミョンフン 東京フィル
●16日はサントリーホールでチョン・ミョンフン指揮東京フィル。10月28日からのヨーロッパ・ツアー(7か国8公演)に持っていくプログラムのひとつで、バーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニック・ダンス」、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(小曽根真)、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」より。「ウエスト・サイド・ストーリー」は「ロメオとジュリエット」の翻案なので、ダブル「ロメジュリ」プログラム。コンサートマスターの席に近藤薫、隣に三浦章宏、後ろに依田真宣が座って、楽団の3人のコンサートマスターがそろい踏みという全力布陣。気合十分で、持ち前の明るく華麗なサウンドが炸裂。すこぶるパワフルで、サントリーホールが飽和するほどの音圧を浴びた。
●バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」では指パッチンあり、「マンボ!」の発声ありでハイテンション。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」は冒頭のクラリネットのグリッサンドがかつて聴いたことがないほどソリスティックで、たっぷり。ぞくぞくする。この曲で小曽根真がソロを弾くのを聴くのは何度目だろうか。毎回そうだが、即興マシマシのロングバージョン。初めて聴く曲のように向き合う。アンコールは自作のAsian Dreamで、しっとりと。後半のプロコフィエフはいろいろな抜粋がありうる作品だが、「モンタギュー家とキャピュレット家」でスタートして、「ジュリエットの墓の前のロメオ」「ジュリエットの死」で終わる全10曲、約45分。こちらも力感みなぎる演奏で、造形は端正、熱量は高い。バーンスタインとの組み合わせの妙も楽しめた。
●カーテンコールの写真を撮っていたら、予想外のアンコールあり。「シンフォニック・ダンス」の「マンボ」を本編よりもさらにはじけて。アンコールもツアー仕様なのか。客席は大喝采。ツアーの大成功を祈りつつ拍手。

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