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October 27, 2025

グスターボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルハーモニックのストラヴィンスキー

グスターボ・ドゥダメル ロサンゼルス・フィルハーモニック
●24日はサントリーホールでグスターボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルハーモニック。LAフィルを聴くのは6年ぶり。プログラムはジョン・アダムズのショート・シンフォニー「狂乱」(Frenzy)日本初演、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1919年版)、ストラヴィンスキー「春の祭典」。弦楽器は16型で対向配置、コントラバスは9台。ステージ上がびっしり埋まる大編成。
●ジョン・アダムズのショート・シンフォニー「狂乱」は24年3月にサイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団により初演された新作。約20分。大編成を生かした明るくカラフルなオーケストレーションで、反復的な楽想が漸次的に変容されていくという期待通りの作風。心地よく、祝祭的。ストラヴィンスキーの「火の鳥」「春の祭典」ではともにオーケストラの個の力量の高さ、とくに管楽器、打楽器の高性能ぶりを感じる。長年のコンビを組んできたドゥダメルも来年に退任するということもあってか、キレッレキの鮮烈さよりはむしろ肩の力が抜けた成熟味が勝っていたかも。「春の祭典」第2部のアッチェレランドはスリリング。全体の造形はオーソドックス、音のキャラクターは明るい。
●アンコールはなし。場内の力強い拍手が続いて、しばらく待った後にドゥダメルのソロ・カーテンコールに。ドゥダメルがLAフィルの音楽監督に就任したのは2009年。やり切ったという感じでは。次期音楽監督はだれになるのか、まだわからない。

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