●「羊たちの沈黙」以来、このシリーズは一通り原作も映画も読んだり見たりしているのであるから、前評判の悪さにもめげずにちゃんと前売りまで買っておいたのだ、映画版「ハンニバル・ライジング」。今回もレクターのテーマともいうべきバッハのゴルトベルク変奏曲が(一瞬だけだけど)グレン・グールドの演奏で流れる。モグモグ、ムシャムシャ。
●原作は前に書いたように、ずいぶん緩い感じであって、でもまあこれまでのシリーズに敬意を表しておこうっていう気分だったが、映画のほうの印象は緩いどころではない。気色悪い、基本的に。怖いっていうか、ひたすら猟奇殺人鬼の話になっていて驚く。レクター博士ってさ、知性と教養にカニバリズムの組み合わせがカッコよかったのに、この青年レクターはたんにサディスティックな食いしん坊ってだけでは。モグモグ、ムシャムシャ。原作にあった天才少年性みたいなのがぜんぜん描写されてないし。
●こんな脚本書いたのは誰だっ! って、わかって見てるんだけど、これが原作者トマス・ハリスその人なんである。いったいどうなっちゃったのか。いや、しょうがないか、最初の作品から20年近くも経ってるんだし。今度DVDで「羊沈」見よう、ヒツチン。モグモグ、ムシャムシャ。あ、これチョコ柿ピーね、ヘンなもの食べてないから。