●昨シーズンよりインターネットを通じた無料ライブ配信をスタートさせたバイエルン国立歌劇場だが、12/2(月)19時より日本向けにR・シュトラウスの「影のない女」(新演出)を配信してくれる。これは現地では前日12/1の18時から上演されるもので、演出はクリストフ・ワリコフスキ、指揮は音楽監督のキリル・ペトレンコ。歌手陣はヨハン・ボータ(皇帝)、アドリアンヌ・ピエチョンカ(皇后)、デボラ・ポラスキ(乳母)、ヴォルフガング・コッホ(バラック)、エレナ・パンクラトファ(バラックの妻)他。今シーズンより映像はフルHD画質となり、字幕はドイツ語、英語、なしの三択可。
●収録にあたっては4~6台のカメラを用い、ステージとピットに40本のマイクを設置するのだとか。今回は時差なしで楽しめるということなので、なんとか時間の都合をつけてアクセスしてみたいもの。配信は以下から。
BAYERISCHE STAATSOPER TV
http://www.staatsoper.de/tv-japan
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https://www.facebook.com/staatsopertvjp
●以下に予告編を。どぞ。てか、サムネイルが白いブリーフ姿で、そいつは別に見たくないんだが(笑)。




●しかし、「シモン・ボッカネグラ」って本当に物語の筋がわかりにくい。そこはオペラの前史となる部分への理解が足りないからでもあるんだけど、それを考慮したとしても作劇的に納得のいかないところだらけ。でも、音楽の説得力は半端じゃなくて、ヴェルディのオペラのなかでもとりわけみずみずしい抒情性にあふれている。
●8日はサントリーホールでティーレマン&ウィーン・フィルのベートーヴェン・シリーズ。交響曲第1番から第9番まで順に演奏するということで、初日は第1番、第2番、第3番「英雄」。この日だけ3曲演奏して、4日間で9曲演奏する。こうして並ぶと第1番から第3番に向かう規模の拡大がよく伝わってくる。そしてウィーン・フィルの響きはやはりとても美しい。ビバ、ローカリズム。ほかのどこにもない唯一のサウンド。
●で、前半シベリウス「カレリア」、リストのピアノ協奏曲第2番(ヌーブルジェ)、後半サン=サーンスの「オルガン付き」。せっかくこのコンビを招いて「オルガン付き」とは少しもったいないような?と思っていたんだけど、これは大まちがい。今まで聴いてきた「オルガン付き」はなんだったのというくらいの鳥肌ポイント満載のサン=サーンス。これまで抱いていた、「苦悩から勝利へ」というベートーヴェン的なドラマをサン=サーンス流に換骨奪胎したカッコいいキッチュ、過剰な華麗さが生み出す眩暈感といった作品観を覆されるような繊細な「オルガン付き」で、いつもは雑然と豪壮に鳴り響くばかりに思えたオルガンが、とても崇高に聞こえてくる。力ずくではない、最後のクライマックスの壮麗さに唖然。