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zombie: 2011年9月アーカイブ

September 6, 2011

ゾンビと私 その20 「ゾンビの作法 もしもゾンビになったら」

ゾンビの作法 もしもゾンビになったら●さて。ゾンビ新刊が出るというのだが、これはどうしたものだろうか。「ゾンビの作法 もしもゾンビになったら」(ジョン・オースティン著/太田出版)。これまで不定期終末連載「ゾンビと私」では、「いかにこのゾンビ化する社会のなかで、生き残るか」を探求してきたわけであるが、この本は最初の立ち位置からして違う。「本邦初となる、ゾンビのための、ゾンビとして生きていくための指南書」なんである。つまり、「人間の襲い方」とか「仲間の増やし方」とか「ゾンビ自殺のやり方」(あるの?)とか、そんなゾンビ・ライフの送り方について書かれているという。
●そこまであっさりと諦めてしまっていいんだろうか。人間性を捨て去れるものだろうか。と疑問を感じるとともに、現実問題としては「郷に入れば郷に従え」、どうせゾンビになるのが避けられないなら、せめてゾンビとして少しでも快適に生きたい(いや、死にたい)という願望が生まれても不思議ではない。そうだよな、「仲間の増やし方」とか、大切だよな。人間として生きてたって、仲間を増やすのは大変だ。どこからが仲間でどこからが仲間じゃないのかよくわからなかったりするし、なんかメンドくさいから仲間なんかいらないやと思っても、仲間がいないとなんにもできない。だからゾンビになったらなったで、やっぱり仲間が欲しくなるかもしんない。「さまよう鎧」みたいに仲間を呼んだだけで隣にホイミスライムが現れるとは限らない。ゾンビなのに仲間がいないと、その辺の銃を持ったヒトに簡単に頭をぶち抜かれるかもしれない。きっとゾンビだって孤独は辛い。大勢の仲間たちといっしょに、生き生きとした(いや、死に死にとした)ゾンビ生活を送りたい。この本はそんな人(ていうか元ヒト)のためにあるのかな、と思いつつ、果たしてこれを読んでしまって平気なのか、やはりヒトはヒトとして生きることだけを考えるべきなのではないかと激しく葛藤する。

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