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Books: 2026年1月アーカイブ

January 20, 2026

「成瀬は都を駆け抜ける」(宮島未奈著)

●累計180万部突破の大ベストセラー、「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」に続くシリーズ完結編、「成瀬は都を駆け抜ける」(宮島未奈著/新潮社)を読む。滋賀県大津市に住むヒロイン、成瀬あかりを主人公とした青春小説。今回もこれまでと同様、連作短篇集であり、それぞれの短篇ごとに視点が入れ替わり、周囲のさまざまな人物から見た成瀬の姿が描かれる。成瀬は常に他人からの視点でしか語られず、その内面は決して描かれない。中学生時代から始まったシリーズだが、すでに成瀬は京都大学理学部の学生になっている。あいかわらず、自分をナチュラルに信じることのできる子で、他人の目をまったく気にしない。メンタル健康優良児とでもいうか。みんながこうありたいと望むような人物像なんだと思う。大人も子どももそれぞれの読み方で楽しめて、読後感は爽快。主人公がだんだん大人に近づくにしたがって、描き方が難しくなってくると思うので、これでシリーズ完結は納得。
●琵琶湖小説としても秀逸。読むと琵琶湖に行きたくなる。びわ湖ホールのコンサート予定を調べてみようかな。

January 7, 2026

「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」(中島聡)

●この本、ずっと前に読んで、スゴい!と思ったんだけど、最近、また手にして感心している。「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」(中島聡著/文響社)。著者はWindows95の設計思想を生み出した元マイクロソフトの伝説的なプログラマー。「一度も納期に遅れたことがない男」として知られる著者の仕事術がぎっしりと詰まっている。いちばん心に残ったのは「ラストスパートよりロケットスタート」。ラストスパートを諸悪の根源と言い、あらゆる仕事はロケットスタートで始めなければならないとする。目から鱗だったのは、「与えられた期間の最初の2割の期間で8割の仕事をする」という発想。つまり、10日で仕上げる仕事があったら、まずは仕事量の見積もりのために2日間ほしいと頼んで、その2日間でロケットスタートして8割方仕上げちゃう(!)。で、その2日間でほぼ完成まで行かなかったら、ピンチと認識してスケジュールの見直しを交渉する。大丈夫そうだったら、余裕を持って8日間で残りの2割を仕上げる。「時間に余裕のあるときにこそ全力疾走で仕事し、締め切りが近づいたら流す」という働き方。
●もちろん、まねできない。ふつうの人間にはまったく無理。それは著者もわかったうえで、書いている。でもまあ、「ラストスパートよりロケットスタート」という言葉は心に刻んでおこうとは思った。自分の場合だけど、難しそうな原稿書きは、完成度を気にすると書き出しの一文でつまづくから、まずはモックアップを作るつもりで書きはじめる。細かい確認が必要なところは、なにを書くかだけ粗いメモを入れておいて、とにかくおしまいまで進めて、規定文字数になにが入って、なにが入らないかをざっくり把握する。そうやって大枠を先に作って、内容と規定文字数がバランスしそうだとわかったら、いくらか余裕をもって仕上げにとりかかれる……ってことかな。ま、そうは思っていても、結局は藪漕ぎみたいになることも多々あるわけだけど。
●あと、ビル・ゲイツの会議の話がおもしろい。ビル・ゲイツが参加するプレゼン会議では、発表者が発表する時間はないって言うんすよ! 資料は前もって送られていて、プレゼン会議とは発表者との質疑応答をする時間のことを指す。で、「会議は最長で30分」と決まっているのだとか。マジか~。

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