March 13, 2002

お口の中は悪のサンクチュアリ

●いやー、まだ歯医者通ってるんすよ。虫歯の1マイクロ秒たりとも休もうとしない激痛に耐えかねて、ついに歯医者に駆け込んだのが昨年末。「虫歯あるよな、あるよなそのあたりに」と微妙な凶兆を感じながらも、ごまかしつづけること20年近く。頭がヘンになりそうなくらい痛くなり、ついに観念したわけだ。
●で、医者に行ってみて、無慈悲なレントゲン写真がワタシの口の中について告げてくれました。大虫歯ワールド(鬱)。20年にわたって一切の治療も施されずに、すくすくと育まれた虫歯たちの凶暴な楽園、そこはまさに悪のサンクチュアリ。
●もうそれからはガンガン麻酔打って、ガリガリ削ったり埋めたり。とはいえ、昔に比べると歯医者さんってのも進化してて、治療はほとんど痛くない。一番心配していた一本も抜かずに済んだ。虫歯処置してまっさきに思ったのはこれ。「ああ、これでワールドカップ中に虫歯が痛み出したりしなくてすむぞ」。
●しかし大して痛くないんだってことがわかっていても、なおかつ歯医者さんもソフトな雰囲気を作り出そうとしていることを感じてはいても、それでもあの治療台に乗ると、根拠レスな恐怖感がジワジワとわいてくるのが謎。全然、そんな禍々しいことは一切なくて、お医者さん(ベテランの女医さん)も親切なんだけど、でも勝手に悪夢的妄想が生まれてきちゃうんだな。「じゃあ、本日は先週削ったところの型をとりますからねえー」とか言ってくれたと思うと、くるっとこちらを振り向いたら両手に巨大なペンチを持っていて「げへへへ、ホントは今からおまえの奥歯を一本一本抜いてやるのだあ、全部麻酔なしでなぁー、ぐわっはっはっはっ」とか言い出して、逃げようとすると「カチャン」とかいう音ととも両手両足に枷がされて......。って、B級ホラーかよ。(03/13)

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