May 29, 2002

「ワンダフル・ライフ~バージェス頁岩と生物進化の物語」

●グールドっていったら、音楽ファン的にはもちろんグレン・グールドなんだけど、世間一般的には進化生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールドなんだろうな。新聞等での訃報の扱いもかなり大きかった。ワタシはかろうじて「ワンダフル・ライフ~バージェス頁岩と生物進化の物語」だけは読んでいる。よく比喩的に「カンブリア紀の爆発(的進化)」って表現が使われるけど、その証拠となる化石が発見されたのがバージェス頁岩。ダーウィン的進化論を(一部)覆すこのバージェス頁岩を巡る発見のドラマを、科学者の目でわかりやすく節度を保って書いてくれたノンフィクションで、目からぼろぼろ鱗を落としてくれる。
●進化の過程にあった現存しない種っていうのが、実に奇妙奇天烈なんだよな。学術的立場からの驚きだけではなく、化石から復元されたその姿が感覚的にも奇異で地球上の生物とは思えないっていうところがワクワクさせてくれる。ふと思い出したんだけど、昔ウチの婆さんはコドモ向けの恐竜の本を見せても「これはテレビに出てくる怪獣を描いたもので、こんなものがこの世にいたはずはない」と頑なに恐竜の存在を否定していた。円谷プロの創造物だと信じていたようである。(05/29)

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