August 27, 2004

ペイチェック 消された記憶

ペイチェック●またまたP.K.ディックの小説が映画化された。ワタシは映画館で観たが、レンタル開始されてるみたいなのでご紹介→「ペイチェック」。ディック原作では最初に映画化された「ブレードランナー」(原題「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)だけは名作となったが、あとはことごとく駄作(その辺は「マイノリティ・リポート」のときに書いた)。で、ワタシはその駄作たちが結構、好きなんである。
●監督や役者からしても、今回も観る前からバカ映画が約束されていたようなものなのだが、期待にたがわぬできばえ、つうかジョン・ウー監督の過剰なサービス精神のおかげで、本気で楽しんでしまった。まったく意味のないアクション・シーンとか、律儀すぎる伏線とか、なぜか一研究者なのにアクション見せちゃうユマ・サーマンとか(「キル・ビル」かよ)、どう見ても天才科学者に見えないマッチョなベン・アフレックとか。観念的に解釈されがちなP.K.ディックをここまでのんきな映画に仕立て上げる手腕はある意味スゴい。もともと「記憶を失っていた間に、自分に対して与えられたアイテムがまったく意味不明」っていうアイディアのワクワク度はかなり高いんである。
●「マイノリティ・リポート」と違うのはB級感か。他のディック原作映画でいえばシュワルツネッガー主演の「トータル・リコール」に近い。寛容にバカ映画を楽しめる人にオススメ。

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