March 26, 2008

桜が咲いたらカラヤン生誕100周年

●生誕100周年になんらかの記念行事がある指揮者や演奏家ってスゴいと思う。どうがんばったって、記念演奏会に本人は出て来れないわけだし(いやまだ健在で現役なら別だけど)。作曲家は作品が何百年でも残り得るけど、演奏家は記録物しか残せない。
●そう考えるとやっぱりカラヤンというのは例外的な存在だと思う。記録物でも(しかも既存のものでも)、まるで本人が生きてるみたいに雄弁に何かを語っている気がする。映像でイベントが成立する指揮者ってほかに存在するんだろうか。

カラヤン生誕100年記念
サントリーホール カラヤン・フィルム・フェスティバル

オズボーンのカラヤン●映画監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾーとカラヤンの共同作業については、リチャード・オズボーンの『ヘルベルト・フォン・カラヤン』(白水社)にもあれこれ書かれていておもしろい(下巻のほう)。カラヤンのほうはクルーゾーに役者として使われる、つまり「カラヤンがカラヤンを演じる」ことになるのを危惧していたが、クルーゾーのほうはプロの俳優を嫌い、どんな素人からも名演技を引き出せると豪語していたという。この組み合わせはひとまず成功するわけだけど、ワタシらから見ると、ある意味「カラヤンはいつでもカラヤンを演じていた」ようにも見える。実際、メニューインとモーツァルトを共演したときは、先に録音しておいた音にあわせてカラヤン(とオーケストラ)は演奏しているふりをしなきゃいけなくなる。それって宇宙一本格派の「エア・コンダクター」じゃないか。しかもそれがカラヤンほど似合う人はいないだろうし、カラヤンほど嫌がった人もいないんじゃないかという気もする。
●もう一つ、こちらは音のほうの記念企画。衛星デジタルラジオのミュージックバードの「カラヤン伝説2008」。4月5日からスタート、目玉はオーストリア放送協会提供のライブ音源。高音質が売りの局なので、チューナー&アンテナが必要だけど、聴ける方はどうぞ。

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