September 22, 2008

何見ても「あっ、ポニョだ~」と呟きたくなる症候群

●グズグズしてたけど、結局「ポニョ」を見に行ってしまった。「ポニョ」は金魚と人間の中間状態にある三本指の半魚人状態がキモかわいい。エイリアンの変態を思い出す。ポニョと宗介はところどころブリュンヒルデとジークフリートであった(笑)。これってネタバレしてもいいかなあ? 起承転結の明快なストーリーではないので、5歳の子供視点でも大人視点でもいろんな見方、感じ方が可能な物語になっていたと思う。ラストシーンが意外だった。ワタシは、宗介がポニョを海に帰すことになるんだと予想してたら、「身元引受人」になってた。
●あとリサの車が発見された場面以後を、「私たちの現実」と「海の世界にある向こう側のファンタジー」って読み取るのかな、とも少し思った。車椅子のおばあちゃんたちが走れるようになったのは、彼女たちがリサとともに「海の世界にある向こう側のファンタジー」に行ったから。つまり、どちらも「私たちの現実」にはもういない。ポニョは両方の世界を往来できる。そこで宗介はどういう選択をするのかを問われる、みたいな。「私たちの現実」レベルでは台風と津波による酷い天災が起きたということの裏側が、「向こう側のファンタジー」ではフジモトやグランマンマーレ、ポニョ、宗介たちの神話的な物語になっていて、凡庸な人間視点では単に前者が現実、後者が夢に過ぎないのだけれど、世界というのはもっと多層的なものである、喜びとか悲しみというものは一つの真実を表側から見たり裏側から見たりしたものなんですよ……。という話を予期していたけど、ラストがとても現世的なハッピーエンドだったので、この解釈は却下だな。
●ポニョの走り方は、「未来少年コナン」のコナンとぜんぜん変わっていない。
奇跡のピアニスト郎朗(ラン・ラン)自伝●「奇跡のピアニスト郎朗(ラン・ラン)自伝」(WAVE出版)を読んだ。「20代の若さで自伝って、どういうことよ?」みたいな疑問があって、何の期待もせずに読み始めたら、これが予想に反しておもしろくて、つい一気読みしてしまった。書き手の筆力が相当に高い。日経PCオンラインの連載に書評を寄せたので、よろしければ、どぞ。

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